ある書店のフリーペーパー置き場に、目を引く冊子があった。 「雲のうえ めし大盛にしとって!」 表紙にそう書かれた冊子を手にとってパラパラとめくると、町の食堂とおいしそうな定食が大きな写真と文章でいくつも紹介されている。「クウネル」や「天然生活」といったライフスタイル誌のようなビジュアルで、思わず読みふけってしまった。こんな凝ったフリーペーパーをどこが作っているのかと思い、表紙をよく見てみると「北九州市」と書かれている。なんと、自治体が発行している冊子だったのだ。 「雲のうえ」は北九州市が発行しているPR誌で、06年10月からスタートした。きっかけは、06年3月の新北九州空港開港にあわせ、新しい航空会社「スターフライヤー」の新北九州空港―羽田空港便が就航したこと。機内誌として配布し、搭乗客に北九州市の魅力をアピールするのが狙いだったという。「北九州市はかつては『鉄の町』『100万都市』として
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