「自分がやりたいことに挑戦しようとすれば困難に突き当たるもの」―。インターネットイニシアティブ(IIJ)の創業者である鈴木幸一会長は、困難続きだった経営者としての半生をそう振り返る。IIJは1993年に日本初となる商用インターネット接続サービスを立ち上げた。郵政省(現・総務省)からネット接続事業者としての登録がなかなか受けられず、資金調達もままならない状況を突破して日本におけるネット市場の扉を開いた。その後も技術を軸に挑戦を続け、あるときは夢破れた。そんな鈴木会長にこれまで突き当たってきた困難とそれを乗り越えられた理由、また、失敗をどのように消化してきたのかを聞いた。(聞き手・葭本隆太) 可能性を確信していた ―日本初の商用インターネット接続事業を実現した過程で最も解消が難しかった障壁を教えて下さい。 (90年代前半の当時は)新しい取り組みということで理解者がいなかったことかな。電話しかな