一般の企業からみれば不思議なことだが、赤字決算を続けていたにも関わらず、“高額報酬”を受けとり、社長兼会長兼CEO(最高経営責任者)を退任したかと思ったら、今度は取締役会議長に“昇進”したハワード・ストリンガー。果たしてそれだけの実績と評価を残したのだろうか。 ストリンガーは、2005年6月に出井伸之の後継者として会長兼CEOに就任した。新CEOとして掲げたのは「ソニーユナイテッド」という経営方針だった。米国ソニーの責任者をやっていたストリンガーから見ると、ソニーの各部署・各セクション、特に日本のそれはいわば縦社会の「サイロ」で、いつの間にかできてしまった事業間の厚い壁が互いの協力を阻み、せっかくのハイレベル技術を活かせなくなっている。この壁を破壊し、ソニーを「一枚岩の“チーム”に変える」ことを目指した。 強いチームになるには、チームメート同士の信頼が絶対に必要で、その信頼のカギは対話とコ
