まずは、2021年初から車載半導体を中心に不足が続く理由を整理してみたい。 17~18年の半導体好景気から一転、19年はスマートフォンやパソコンの需要停滞により半導体不況に見舞われた。20年は新型コロナ感染拡大により世界的に需要回復にブレーキがかかり、さらに半導体減速が予想されていた。 ところが、20年秋ごろから状況は一変した。自動車販売の急回復に加え、5G(第5世代移動通信システム)スマホの販売好調、ゲーム機新製品投入や巣ごもり需要による大型テレビ販売拡大。そして、ITを駆使した在宅勤務の活用がコロナ禍で一気に立ち上がったため、ノートパソコンやデータセンター需要も堅調に推移した。 とはいえ、不思議なのは自動車販売台数、スマホ出荷台数、ノートパソコン、テレビなどは過去のピークを下回っている状況なのに、半導体不足になっている。これには理由がある。 不足する三つの理由 (1)対中制裁 第一の理