ノンフィクションの醍醐味は「事実は小説より奇なり」を地で行く部分だと思う。小説は作家が人工的に創ったものだからどうしてもきれいな形で収まるが、現実はそうはいかない。あまりに予想外でどうしてそうなるのか─当事者や著者にさえ─さっぱりわからないなんてことが起きる。ある意味で”人智を超えた”おもしろさを感じる。 佐藤俊『越境フットボーラー』(角川書店)がまさにそういうノンフィクションだ。 ……え? 解説すべき本がちがう? まあ、細かいことを言わずに話を聞いてほしい。おもしろいんだから。この本は「戦力外通告」を受け、Jリーグ、欧州、南米以外の場所、つまりマイナーな国や地域に渡っていった日本人プロサッカー選手たちの物語だ。 酒井友之選手もその一人。稲本潤一選手や小野伸二選手らと共に1999年、U‐20日本代表としてワールドユース選手権準優勝を勝ち取り、「黄金世代」と呼ばれた選手だ。彼は持病の腰痛など
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