小泉今日子(49才)が書いた書評本は、翌日から飛ぶように売れる――そんな伝説ができるほど、いつのまにかキョンキョンは本好きの間でも“アイドル”になっていた。 毎週日曜、読売新聞の読書面の書評コーナー。執筆する読書委員は、作家や文芸評論家、大学の文学部教授などがほとんどだ。その中で2005年、女優・歌手という異色の存在ながら、読書委員に抜擢されたのが小泉だった。 大半の委員は任期の2年間で交代する。ところが、書評でも多くのファンを獲得してきた小泉は昨年まで、異例の長さといえる「5期10年」も委員をつとめてきた。10月末、そうした書評のなかから97冊分を収録した『小泉今日子書評集』(中央公論新社)が上梓され、話題を呼んでいる。 小泉に読書委員を依頼した読売新聞文化部編集委員の鵜飼哲夫さんが振り返る。 「ベストセラーになった小泉さんの自伝的なエッセイ集『パンダのanan』(1997年)を