テレコム産業における競争 ジャン・ティロール著 上野有子訳 A5判/352頁 本体価格4,800円 ISBN4-87315-243-7 (本書について) 本書は原則として,規制産業の中でも特に電気通信(テレコム)産業を取り上げて分析している。分析の趣旨は,経済理論と規制政策の接点を見出し,経済理論を現実の政策決定に反映させるよう試みることにある。このため,本書で展開される分析結果やそれに基づく政策へのインプリケーションは,多くの場合他の規制産業にも適用できるものである。特に,従来経済的規制と称される,自然独占性を根拠として規制の対象とされてきた一連の産業(電力・ガス・郵便・鉄道など,巨額のネットワーク設備への投資とその維持が必要な産業)には,全く同じ考え方が当てはまる場合が多い。したがって,本書の意義は,いわゆるネットワーク産業における近年の規制改革及び,結果としての競争状態の分析にあると