個々の基準はIFRS(IAS)○号、解釈指針はIFRIC(SIC)○号と呼ぶ。IFRSとIASは名称が違うが適用の優先度には差はない。IASが改訂される場合、改訂IASとして公表される場合と既存のIASを廃して新たなIFRSが公表される場合がある。 この連載では、全十数回にわたり主要な基準を解説する。日本では2015年か2016年ごろに強制適用の可能性があるので、現行基準とともに進行中の基準改訂プロジェクトの内容にも言及する。なお、本文中の意見にわたる部分は筆者の私見である。 収益に関する基準 初回は、どの企業にも少なからず影響のある収益に関する基準を取り上げる。IFRSでは、商品販売やサービスの提供など収益に関する一般的な基準をIAS18号で、工事契約に関する基準をIAS11号で定めている。一方、日本基準では収益全般を包括的に扱う基準はなく、企業会計原則の実現主義の原則により収益認識が行