超高齢社会とデジタル技術の進展で、重要性が急速に高まっている「デジタル相続」。前回は、どんな対象がデジタル相続に該当するのかを考察した。今回は、具体的な対応策を実施する際に障害となる課題を整理し、解決の糸口を探る。 相続の対象にデジタル遺産・遺品が加わる難しさは、故人が何をどれほど、どこに持っているのかを周囲の人が把握することが困難な点にある。デジタル社会以前は、故人の部屋を整理すれば古い通帳や証券などを見つけられた。相続が必要な対象を物理的に把握しやすかった。だが、リアルなモノが存在しない多くのデジタル遺産・遺品の場合は、そう簡単にはいかない。 例えば預金1つとっても、口座にひも付いた紙の通帳は無くなりつつあり、銀行からは郵便物ではなく電子メールで連絡が来るのが当たり前になっている。ほぼデジタルで管理している預金口座については、存在に気付けたとしても全容把握には時間がかかるだろう。 スマ