筆者のもとには毎日,電子メールで数十通のプレスリリースが送られてくる。その中で最近よく目にするのが,「Winnyの起動を禁止するツール」や「USBストレージへのデータの書き込みを制限するツール」のリリースである。こういったツールの登場を見るたびに,筆者は複雑な気持ちになってしまう。 筆者は,こういったツールが「実際には機能しない」とか「役に立たない」というつもりはない。試してはいないが,これらはきっと確実に動作するだろう。では,なぜ筆者が複雑な気持ちになってしまうのかというと,そもそも「特定のアプリケーションの実行禁止」や「USBストレージへの書き込み禁止」は,Windowsが標準で備えている機能だからである。 例えば,Windows XP Professionalで特定のアプリケーションの実行を禁止したいのであれば,以下のような手順を実行すればよい。[コントロールパネル]の[管理ツール]
Winnyウイルスによる情報漏洩の発覚が収まる気配を見せない。自らも多くの事件の当事者となってしまった警察は、対策に躍起になっている。しかし、これまでの対策はそもそも正しかったのだろうか。 民間企業にも役立つと思われるので、今回は“職場持ち込み私物パソコン対策”の「あるべき内部ルール」について、実務的な立場から弁護士としての眼で検証してみよう。 以前から警察庁は各都道府県警に対し、情報漏洩対策を指示してきた。 まず、平成14年1月29日付けで「職務上使用している私物OA機器等の管理の徹底について(警察庁丁情管発第235号)」を発して、「私物OA機器等における警察情報の保護対策」に基づき管理指導の徹底を図るよう通達を行っている。 その後も、平成16年3月29日付け「職務上使用している私物OA機器等の管理の徹底について」(警察庁丁情管発第164号)、同月30日付け「職務上使用している私物OA機
どんなにニュースで繰り返されても、Winnyによる情報漏洩は後を断たない。とうとう警察などではWinny禁止令が出たほどだ。 Winnyで情報漏えいが起きる仕組みは、前回の記事を見てもらいたい。ここで紹介したAntinny、通称「キンタマウイルス」は、Winnyを使用していなければ感染しても安心(?)できるウイルスだ。Winnyを使って情報を広めるので、Winnyを使用していなければ情報を流すことができないからだ。 じゃあ、Winnyを使っていないから安全なのかというと、残念ながらそうではなくなった。2月末からネット上を騒がしている「山田オルタナティブ」は、Winnyなどを使っていなくても被害にあってしまうウイルスなのだ。 元々、Winnyなどのファイル共有ソフト上で広まった、通称「山田ウイルス」というウイルスがあった。このウイルスは、2ちゃんねるに「友人の山田から送られてきたファイルを開
Winny経由で情報が漏えいする仕組み(<a href="http://www.ipa.go.jp/security/topics/20060310_winny.html" target=_blank>IPAの情報</a>から引用) コンピュータ・ウイルスの届け出先機関である情報処理推進機構(IPA)は3月10日,ファイル共有ソフト「Winny(ウィニー)」経由の情報漏えいについて,改めて注意を呼びかけた。テレビや新聞が報じるのは官公庁や大企業からの情報漏えいだけだが,実際には一般ユーザーからも情報が漏えいしているので,他人事とは考えずに対策を施すことが重要であるとしている。 報じられている情報漏えい事件/事故の多くは,Winnyで感染を広げる「Antinny」ウイルスが原因である。WinnyでダウンロードされたAntinnyファイルを実行すると,パソコン内の送受信メールやデータ・ファイル
「個人情報漏えい事件を斬る(31):電力業界を悩ますファイル交換ソフトからの情報流出 」,「個人情報漏えい事件を斬る(32):IT業界や官公庁でも頻発するファイル交換ソフトからの情報流出 」で,最近のファイル交換ソフトによる情報流出の被害状況を整理してきた。今回は,ファイル交換ソフトによる情報流出の防止対策について,再度考えてみたい。 個人所有パソコンに頼らない職場環境作りが第一 2006年3月8日付の朝日新聞によると,ファイル交換ソフトによる業務データ流出が相次いで発覚した防衛庁では,職務上必要があるのに官品パソコンが支給されていないすべての隊員に対し,官費でパソコンを支給する方針を固めたという。裏を返せば,個人所有パソコンなしでは業務が遂行できない状態が続いていたことになる。パソコン購入のために数十億円規模の予算が必要だという。 実は,全国の警察でも同じような状態が続いていた。警察庁ホ
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