ジャスダック市場に上場する中堅出版社の幻冬舎が、マネジメント・バイアウト(MBO、経営陣による買収)を実施する。同社の見城徹社長が代表を務め、株式の100%を保有するTKホールディングス(HD)が公開買い付け(TOB)を実施して完全子会社化する。TOBが成立すれば、幻冬舎は上場廃止となる。 TK・HDによると、株式の買い付け期間は2010年11月1日から12月14日まで。買い付け価格は1株22万円で、買い付け予定株数は2万7449株。応募総数が買い付け予定株数の下限である1万8300株に満たない場合は全部の買い付けは行わない。全株式を取得した場合の買収総額は60億円強になる見通し。 上場廃止後は見城社長が幻冬舎の経営にあたる予定で、経営と資本が一本化される。
「文学とは何か」(岩波書店) 気になって仕方がない素朴なギモンを直接企業に聞いてみよう、という本連載。 高校生の頃、岩波書店の書籍が高くて買えなかった思い出がある。例えばテリー・イーグルトン『文学とは何かー現代批評理論への招待』が4,200円。『愛蔵版 モモ』が2,940円など(もちろん、他の出版社でも高価格はあるが)「岩波書店は高い」というイメージがあった。だからといって、手持ちのお金で手軽なファッション誌を購入して帰宅すると寂しい気持ちにもなった。 「『文学とは何か』が高いから、代わりに『BOON』を買う」 どうせお洒落なんてしないのに……。こんなパターンはどうだろうか。 「『文学とは何か』が高いから、代わりに『デラべっぴん』を買う」 ただのエロ・ティーンエージャーである。 「『文学とは何か』が高いから、代わりにマウンテンデューを買ってゴクゴク飲む」 喉が乾いてしまったんだから仕方ない
おすすめしたい本を持ち寄って、参加者が互いに紹介し合う「知的書評合戦ビブリオバトル」が、7月8日(木)に大阪市中央区の紀伊國屋書店本町店で行われます。「おしゃべり」で本を紹介するという身近な感覚で行われるこの書評イベント、紹介したい本を持参すれば簡単に参加できます。 ▽ http://bookweb.kinokuniya.jp/bookfair/bibliobattle.html 2007年に京都大学の研究室で考案された「ビブリオバトル」は、お気に入りの本の面白さについて5分程度でプレゼンテーションし、どの本が一番読みたくなったかを参加者の多数決で決定するというものです。これまで行われてきた本の紹介の様子は、ビブリオバトルの公式サイトから見ることができます。 ▽ 知的書評合戦ビブリオバトル公式サイト 元々は、研究室での輪読会や論文紹介を面白くするために行われたビブリオバトルですが、大学や京
よく勘違いされるんです。お金持ってると(笑)。 みなさん曰く「あんなに売れてドラマや映画にもなったんだからさぞや…」 NOOOOOOOOO!!(石丸元章風) 今日は具体的数字をあげて、 『盲導犬クイールの一生』1冊の収支と他の状況を説明したいと思います。 出版に関わっていない人には特に興味深いかと。 まず、単行本の売上げ(厳密には刷り部数)は、87万部。初版が6000部でした。 初版部数が少ないので、定価は、1500円(税込)。 印税は、通常、単著ならば10%。 共著などでは、その10%を分配しますが、 配分の割合は千差万別で長引くのでまた別の機会に。 この本は写真の秋元さんと僕、そして盲導犬関連団体への寄付金で、 3分の1づつとしました。 ■本の総売上げ金額 1500円×87万部=13億500万 (今知ったけどこう言われるとすごい迫力!) 本の利益は、ざざざっくり言うと、以下の感じ。 細
ビートルズやボブ・ディランら欧米のベテランロッカーやミュージシャンの特集記事で人気の老舗月刊音楽誌「レコード・コレクターズ」が、主要読者層の高齢化を受け、4月15日発売の5月号から活字を現在より約10%大きくすることが2日、分かった。「字が細かくて読みにくい」との読者からの要望に応えたという。かつて若者文化の象徴だったロック音楽だが、時の流れには逆らえない?! 同誌は昭和57(1982)年にミュージック・マガジン社が創刊した。公称発行部数は約15万部。約10年前から、読者ニーズの取り込みに力を入れるため毎年12月号にアンケートはがきを付け、翌年の2月号に読者が選ぶ「再発CD年間ベスト20」や同誌への意見を掲載するなど活用してきた。 ここ数年、アンケートはがきを送ってくる熱心な読者のほとんどが50代半ば以上で、「字が小さくて読みにくいので大きくしてほしい」という要望が編集部に多数寄せられ
おひさしぶりですみなさん。 ブログタイトルを変えることにしました。「どんじりのブログ、たぬきち日記」から、心機一転、時代の最先端をゆく「リストラなう!」日記に変身! 我ながら予想もしない、自分でも驚いた、大胆な転進です。 私ことたぬきちは、都内のわりと大手と思われる出版社で働いています。 業界の売り上げ順位では現在のところ10位…くらいかな? もうちょい下になってるかな? 書籍も雑誌もやっている、一応「総合出版社」です。 たぬきちはバブル時代の入社組で、もう20年働いています。編集、宣伝、販売といったセクションを経験しました。 このまま普通に年を取り、営業マンとして馬齢を重ね、定年を迎えるものと思っていました。 ところが、この3月の中旬、会社は「このままでは立ちゆかないので、社員を減らします。優遇措置を設けたので希望退職を募ります」と宣言しました。 リストラが始まったのです。 これを書いて
いろいろ誤解する人が多そうなので、コルシカの提供していたサービスの概要をおさらいします。 コルシカのサービス概要はこんな感じです。 取次経由で雑誌をまとまった部数購入購入した雑誌のうち、一冊をスキャンWebでの閲覧サービスを、取次ぎより購入した雑誌の数のユーザーに販売 最大のポイントは、書店同様に取次流通から販売する数だけ雑誌をきちんと購入しているってことですね。事前に雑誌にお金を払っていて、しかも売れなかった場合の在庫リスクまで抱えてる。売れないから返品することもしないだろうから、一部の雑誌にとって見れば一般書店よりもむしろありがたい存在なんじゃないですかね。 あくまでWebの閲覧サービスでコピー可能なアーカイブを売ってるわけでもないし、書籍版の雑誌販売に絡む金銭的な損害だけをクローズアップすれば、実は雑誌社には何一つ不利益を与えていないことになります。 ただ、著作権法上は間違いなく黒で
同人誌にとらわれない自主制作文化の可能性へ向かって オンラインショップ「Lilmag」野中モモインタビュー 「どう見てもamazonで販売されるわけのない、独立出版専門店に卸すのすら面倒くさい冊子が何故か紹介されて、望めば買うこともできる場がネットにあったら楽しいのではないか」。ZINE、ミニコミ、アーティストブック、世界の同人誌、アートとサウンド、クラフトとD.I.Y等々、多種多様なインディペンデント・パブリッシングを扱うオンラインショップ「Lilmag」。いわゆる“同人誌”市場が肥大化するなかで、店主である野中モモさんが考える、小さな本たちと私たちの新しい出会い方とは? ■ WWW時代の表現媒体 ――出版の危機、電子出版、ミニコミ2.0など方々で出版に対するアレコレが騒がれる中、実店舗のないネットショップという形でミニコミを販売する「Lilmag」という場所を開いたきっかけは何だったの
ゲームや音楽ビデオがインターネットで無料配信される中、書籍の全文をネットで無料公開する動きが出てきた。3月1日から46日間限定で、保険の問題点や加入者へのアドバイスを分かりやすくつづった「生命保険のカラクリ」(文春新書)という新書の全文が公開され、5日までに約3万件のダウンロードがあった。タダで読ませて、本の売り上げには影響しないのか? 著者は岩瀬大輔・ライフネット生命副社長。岩瀬さんはこれまでも、業界の常識を覆し、「タブー」とされてきた保険料の原価開示に踏み切るなどしてきた。「今も多くの人は、自分の保険の保障内容を正確に理解していない。一人でも多くの人に、保険の仕組みを知ってもらうことが、本を書いたそもそもの目的。ネットでの公開も、その延長線上にある」と話す。 すでにこの本は6刷3万部を売り、「元は、十分とった」というが、無料のネット公開をきっかけに注目され、それがさらに本の売り上げ
3月1日、文芸春秋が1冊の新書を全文無料で公開する。無料公開で本は売れなくなるのか、それともさらに売れるのか。電子書籍の登場で揺れる出版業界の注目を集めそうだ。 大手出版社の文芸春秋が3月1日から1つの実験を始める。昨年10月に出版した新書『生命保険のカラクリ』をインターネット上で全文無料で読めるようにするというもの。大手出版社が丸ごと1冊を無料で公開するのは極めて異例のことだ。 著者の強い希望で実現 今回の「実験」を言い出したのはこの新書の著者である、岩瀬大輔氏だ。ネット経由で死亡保険や医療保険を販売するライフネット生命保険の副社長である彼はこの本の中で、従来の生命保険のコスト構造を明らかにするなど、生保業界のタブーに切り込んで話題を集めた。 彼の周囲の著名人のブログなどで取り上げられ、アマゾン・ドット・コムなどネット書店を中心に売れ行きは好調。出版から3カ月で6刷が決まり、発行部数は2
本田雅一 @rokuzouhonda ある上場済みのWeb出版社「原稿は載せたいのでお願いしたいけど、原稿料は予算がないので払えません」とか。あるB2B企業が新技術を発表したので、記事ネタにいかが?案内すると「で、広告は出るんですか?」(広告営業ではなく編集担当です)と聞き返した話も。大丈夫なの? 2010-02-28 00:36:05 本田雅一 @rokuzouhonda ちなみにそのWeb出版社は「広告代理店は必要悪だから付き合ってるけど、本来、ネットの世界では不要な存在」「ネットではユーザー自身がコンテンツを作るからプロの執筆者は不要。よってギャラは本来、払いたくない」とおっしゃっております。心意気は買いたい 2010-02-28 00:38:39
◇書籍データは誰のものか 前にも書いたが、ある仕事で、日本の戦前から戦後にかけて調べ物をしたことがある。その時、驚いたのは、当時の単行本や出版物のほとんどが残存しているという事実だった。日本人の多くは、当たり前だと思うかもしれない。しかし、出版された本のすべてを完全に保存して、後世まで残せる国はそう多くない。それは、海外で資料を探した時に痛感した。図書館さえない国もあれば、図書館があっても数が少なく、不備だらけの国も多い。 これは、我が国の国立国会図書館への納本義務制度の大きな成果だと思う。この制度の存在によって、雑誌や他の刊行物も、残すための努力の対象となったはずである。新聞社は過去の新聞を残し、出版社は、過去の刊行物を残した。大宅壮一文庫という貴重な存在もある。 かくして、後世に生きる我々は、当時の生々しい原本をこの目で見ることができるし、読むこともできるのだ。 意外に知られていないの
はじめに――出版業を取り巻く現況 (株)出版ニュース社によると、2008年度末の時点で、30年ぶりに全国の出版社の数が4000社を下回ったという。しかも新たに出版社を創業したのは、わずか9社のみであった。しかしこの数字も近年業界が置かれている状況を目の当たりにすると、大した驚きにもならない。業界紙面に目をやると、昨年から今年にかけて相次いで出版社が倒産に追い込まれ、もはやビジネスとして魅力のなくなった出版業へ足を踏み入れる者も少なくなってきているように思われる。 このように業界全体が縮小する中で、当会のような「関西」・「専門書」という特殊性をもった出版社は何に期待し、何を行えばその活路が見出せるのか。 その二つの特殊性をキーワードに、現況と今後の展望について言及したい。 「東高西低化」したマーケット ほとんどの産業がそうであるように、われわれ出版産業においても、「東高西低」という地域格差モ
出版物の販売額がついに2兆円を割り込むなど出版不況が深刻化するなか、出版社は新たな販売促進の方法を模索している。その一つが、書籍の発売前に「電子版」をネットで無料配布するという「フリー・キャンペーン」だ。業界では異例の試みが10万部を超えるヒットを生み出した。 「電子と紙は別のものという意識で」 出版科学研究所が2010年1月25日に発表した数字は業界関係者に衝撃を与えた。09年の出版物の推定販売額が、1989年以来21年ぶりに2兆円を割り込んだのだ。ある中小出版社の老経営者は 「ネットに押されて本も雑誌も売れない。出版業界は土砂降りの状態だよ」 とため息をもらす。だが、嘆いていても仕方がない。一部の若手編集者からは、これまで出版業界で敵視されがちだったインターネットを積極的に活用して、書籍の販促につなげようという動きが生まれている。 たとえば、インプレスジャパン。2月15日に出る新刊本『
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