前回の続き。 支援費制度導入まで知的障害児者の「地域生活支援」はどんなものだったか、と言えば、地域ごとにばらばらな補助制度に支えられた(あるいは全く何の制度的支えもない中で)ものすごく熱意ある事業者ぐらいしか、使えるものが無かった。知的障害の分野で一定の質と量を保ってレスパイトサービスができているとか、ホームヘルプができているとかいうのは先進地の話であり、そんな事業者は全国的にも有名なところばかりだった。ひとつの地域で、使えるものが2つも3つもあるなんてことは無かった。「地域生活支援」の定義をしていないが、ひとまず作業所や授産施設等の通所先の話はおいておこう。ここでは、通学や通所以外の部分の社会資源不足に焦点をあてる。子どもたちとの関連も深いので。 2003年、当事者や関係者には「支援費制度がはじまります」とパンフレットが配られ、各地で「申請しよう」という機運が高まっていった。知的障害分野