◎ 書評のあれこれを考える ◎ 【 個性・利害・思想などが表象される諸書評の特性など 】 ① 竹内 洋『革新幻想の戦後史』中央公論新社,2011年10月 本書はB6判で本文から索引まで 546頁の大部である。定価は2800円,読みでがある本である。竹内は本書をもって「左翼的でなければ相手にしてもらえない雰囲気は,戦後,どのように形成され変質したのか。渦中を見てきた社会学者が自分史として綴る」。 「戦後社会では,さまざまな空間を革新勢力が席捲していった」けれども,「そうした雰囲気は,多分に焚きつけられ,煽られたものであった」。「誰が,どのように時代の気分を誘導したのだろうか」。「また,それはどのように,その後のねじれた結果をもたらしたのか」と「膨大な文献資料から聴き取り調査までを駆使し,いまにつながるその全貌に迫る」論及をおこなっている。 本書のもくじは,こうなっている。 はじめ