なんでも、うちの実家近所の寺の住職(80代)が入院し、あたりの老人たちの間では 「死んだら誰が読経してくれるんだ」という話題でもちきりだという。 なんだか冗談みたいな話だが、これは地方の本質を表していると思う。 ちなみに跡取りはいないから、寺自体が今後どうなるのかわからない。 もともと世襲や妻帯を認めている宗派は少なかったが、なし崩し的に多くの寺がそうなっていて、 一般的な自営業同様、多くが後継者問題を抱えている(拙著「アウトサイダーの時代」でも少し触れている)。 地域共同体と一体化していた檀家制度は、共同体と時を同じくして崩壊するだろう。 戦後、医療の進歩で乳幼児死亡率が低下し、若い人口が急激に増えた。そして、養うべき高齢者も 子供も少ない人口ボーナス期がはじまり、日本は高度成長期を迎えた。その中で第一次産業から 二次産業への移動が起こり、若い労働力は地方から都市へ向かった。 この過程で