産業技術総合研究所(産総研)は10月11日、微少な傷なら自己修復できる「酸素ガスバリアフィルム」を大和製罐と共同で開発したことを発表した。産総研コンパクト化学システム研究センター先進機能材料チームの蛯名武雄研究チーム長らによる開発だ。 食品包装用フィルムには、食品の劣化を防ぐため、酸素や水蒸気を通しにくい「ガスバリア性」が求められている。現在、ダイオキシン発生の懸念から、塩素を含むフィルムを使用は避けられているのはご存じの通り。シリカやアルミナなどの無機層を蒸着したフィルムが一般的に使用されている状況だ。 しかし、これらのフィルムは食品包装材として十分使用できるだけの酸素ガスバリア性と水蒸気バリア性を有するものの、折り曲げてくしゃくしゃにしたりすると、蒸着した層が損傷して、酸素ガスバリア性が劣化してしまうといった課題がある。また、損傷を受けて劣化した酸素ガスバリア性を回復させるといった機能