これは10月半ば、中国SNS上で拡散した画像だ。『新浪新聞』(10月24日付)によると、浙江省余姚市の路上で撮影されたもので、縛られていたのは女子中学生にストーカー行為を働いた50代の男。被害者の家族が捕らえ、私的制裁を加えたというわけだ。 また、11月2日には広西チワン族自治区南寧市の食肉市場で、羊肉を万引しようとした中年女性が取り押さえられた。彼女は「羊肉を盗みました」と書かれた紙を背中に貼られたうえ、鎖で縛りつけられ、警察が鎖を切断するまで放置されたという(『新華網』)。 警察や司法への不信感が根強い中国では、これまでも窃盗犯や性犯罪者に対し、被害者や関係者が私刑を加えることは少なくなかった。だが、袋叩きのような暴力的な私刑から、新たな潮流が生まれつつある。中国人ジャーナリストの周来友氏はこう話す。 「最近では、私刑で暴行を加えたほうが逮捕されるケースも増えている。そこで流行している