まっする4東京公演レビュー(鈴木健.txt) クドカン作品で描かれるものをプロレスで… ローデス家の伝統文化とアントンの積み重ね 忘れかけていた真っ当な娯楽を提供した「まっする4」 2020年の「まっする」は、スーパー・ササダンゴ・マシンが世の中の情勢に対しどう向き合っているかの発露が作品となった一年だったように思う。それは「マッスル」の時代からの延長線上にある姿勢と言えた。 その時点で描きたいものを忠実に表現する。ササダンゴの個人的な引っかかりが題材となって見る側にも届き、思いを共有することで支持されてきた。コロナ禍に見舞われる中で何をすべきか、どんなものを提供したいか形となったのが11・9後楽園だった。 時代性を描いて、そこにひとつの答えを見いだせたのであればもうそれ以上はない。もしも前回、ササダンゴの中に“やりきった感”が芽生えていたとしたら、ちゃんと自分が向き合ったテーマを全うした