鹿島茂先生の『吉本隆明1968』(平凡社ライブラリー)の解説を書いた。 みなさんにぜひ読んで欲しい本であるので販促のために解説だけ公開。 たいへん面白く読んだ。吉本隆明の解説書としては、これまで書かれたものの中で最高のものの一つだと思う。これから吉本隆明を読む人にとっては絶好のブックガイドであるし、これまで吉本を久しく読み込んできた人にとっても「なるほど、あれは『こういうこと』だったのか」と腑に落ちる解釈がいくつもあると思う。本書が今後ひさしく吉本隆明研究の必須のレフェランスとなるだろうと私は確信している。 というくらいで「帯文」としては十分なのだが、頼まれたのは「解説」なので、話は少し長くなる。鹿島先生がどうしてただ「吉本隆明研究」とか「吉本隆明論考」ではなく「吉本隆明1968年」という年号入りのタイトルを撰したのか、その理由について以下にひとこと私見を述べて解説に代えたいと思う(今、「