東京五輪に関連して、不用意な発言や組織運営に対するリーダーの謝罪が続いた。もとの発言に含まれる問題に限らず、釈明や謝罪の際、「女房に怒られた」などと妻や娘など家族を持ち出すことにもSNSなどで批判が集まった。職場で、リーダーが釈明時にこうしたセリフを持ち出すのを聞いたことがある人もいるのではないだろうか。 なぜ私たちは、謝罪時に家族を持ち出すことに「違和感」を覚えるのか。ここでは、東京五輪を巡り特に注目された2つの事例を中心に考えたい。 森・元委員長の「女性蔑視」発言と、平井大臣の「脅し」音声 1つめのケースは、2021年2月に行われた日本オリンピック委員会の臨時評議員会で、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗・元委員長が「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかります。」と発言したことだ。この発言は新聞など既存メディアに加え、ウェブメディアやSNSで多くの批判を集めた。日刊スポー