紅茶について書くのはむずかしい。おれは15年ほど紅茶を趣味にしている。とはいっても、多くある趣味のひとつで、そこまで詳しくはないがしかし、そうでない人よりは詳しく話せると思う。 だが紅茶について書くとき、肝腎の話題は多岐にわたりすぎている。 市販のティーバッグをうまく入れる方法からフレーバーの飲み比べ、遥か遠い国のアンティークカップを買いつけて見せびらかす趣味まで、知らない人に向けて話せることは多くある。 だから紅茶について書かれることはまちまちで、何がうまいか、何を買えばいいか、どんな菓子をつけたか、てんでばらばらになる。 紅茶というのはひとつのことをやる趣味ではなく、ひとつの農産物についての多彩なアプローチだ。 おれの専門分野は、スーパーやデパートがおすすめするブランドのいわゆる「ブレンド」を飛び出して、農園単位で選ぶという、紅茶好きのなかでも限界値のオタクである。 以下の説明はおれ、