◇仏の報道、冷静さ欠く--AFP通信元東京特派員、ラファエル・マルカダルさん(38) フランスでの報道の仕方に腹が立つと同時にショックを受けた。「アポカリプス」(黙示録)という言葉が多用されたが、これは「この世の終わり」という意味だ。「日本壊滅」「東京は神経衰弱寸前」という見出しもあった。原発事故の報道は、怖がらせようという意図すら感じた。用語が扇情的、感情的で、日本メディアの方が事実や情報提供の客観性があった。 フランス人は、電力の8割を原発に依存していることへの恐怖心が強い。フランスでは3月27日に統一地方選を控えていたので、野党側が原発への恐怖心を利用して政権与党を揺さぶろうとした。マスコミは、それに便乗したきらいがある。選挙は野党が勝利した。 マスコミが必要以上に恐怖心をあおったため、世論は動揺した。心配したフランスの家族に泣かれて、不本意ながら一時帰国した友人もいる。2週間で日本