ラッダイト運動の現代版? 19世紀初頭にイギリスで発生したラッダイト運動(機械打ちこわし運動)は、産業革命による機械の導入・生産の効率化によって、賃金も地位も低下した技能職である労働者階級による反発だったが、2023年のハリウッドで起きた脚本家ストは、まさしくそれの2020年代版だった。 それでなくとも、「安価な電卓が普及したことで暗算に長けた者の地位が下がった」「火器が普及したことで刀の使い手が戦争で不要になった」の類いは──いずれもかなり単純化した例えではあるが──人類進化のあらゆる過程で発生している。 今回は、『東京トイボックス』『南緯六〇度線の約束』などで知られる漫画家ユニット・うめの企画・シナリオ・演出担当である小沢高広氏と、『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』ほかアニメ・特撮分野の脚本を多く手掛ける脚本家の小林雄次氏に、さまざまな疑問をぶつけてみた。第1回である今回は、両氏の領域において