「そういう意味では、ヒグマを撃つ技術のあるハンターは今や“絶滅危惧種”です。その技術をどう継承していくかも含めて、今、ここで本気で対策しないと本当に手遅れになる。それなのにどうしてこういう判決が出るのか、理解に苦しみます」 北海道猟友会砂川支部奈井江部会で部会長を務めるハンターの山岸辰人(72)が言う「判決」とは、今回、北海道猟友会がヒグマ駆除の原則拒否方針を打ち出す直接のきっかけとなった「砂川事件」の控訴審判決を指す。 ハンターたちはいったい何に怒っているのだろうか。(全2回の2回目/前編から続く) ◆ ◆ ◆ 問題となった「事件」が起きたのは、2018年8月18日朝のこと。 砂川市ではその少し前からヒグマの出没が相次いでいたが、この日、山間部で1頭のヒグマの目撃情報が寄せられた。北海道猟友会砂川支部支部長の池上治男と猟友会所属のハンターである橋本(仮名)は、砂川市からの駆除要請を受けて