19世紀にブラジル王室も暮らした、現国立自然史博物館(Tomaz Silva/Agência Brasil) リオ市北部サンクリストヴァン地区にあるサンクリストヴァン宮殿は、19世紀にブラジル皇室が暮らした場所で、窓からの視界には、広大なキンタ・ダ・ボア・ヴィスタ公園が広がる。 国立自然史博物館(リオ州連邦大学所属)となっている同宮殿の内部は、より一層荘厳な空気を現代に伝えているが、よく見ると、何年も修復されていない家具は傷み、壁には〃しみ〃が浮かんでいる。 この古びた宮殿の部屋で、人類学者のアレックス・ケルネル氏は働いている。 ケルネル氏は、この宮殿が危機に瀕していることや、博物館には大変価値のある所蔵品があることに世間の目を向けさせようとして、保存状態も悪く、決して使いやすいとはいえない元「皇帝の間」をオフィスにした。 ケルネル氏は、「ここは本来、偉大で、大変価値のある場所。ここの所蔵