リバプール・ミュージアムのキャロル・ロジャース氏とクレア・ベンジャミン氏 戦略、その先またはその背に ― 研修を終えて 塚田美紀(世田谷美術館) ブリティッシュ・カウンシルのエデュケーター研修に参加するのは8年ぶり、2度目である。2006年の日本・韓国・タイの混成チームでの研修も、今回の日本チームでのそれも、英国の文化政策とミュージアムの教育プログラムの大まかな動向を肌で理解できるよう構成してあった。特に首都ロンドンの大規模館だけでなく、地方都市の試みを見聞できたのは有意義だった。 8年前と比べ、どのミュージアムのスタッフもいっそう明快な言葉と、目をひくビジュアル資料を駆使してプレゼンテーションを行っていた。館のミッションに始まり、教育プログラムの対象、狙い、方法などを、トップから現場のスタッフまで、誰もがくっきりと輪郭のある表現に落とし込んでいるのである。活動の評価と成果アピールにも余
