フランスの芸術文化勲章・オフィシエを受章した黒沢は、6月10日に東京・フランス大使公邸で行われた叙勲式に出席したばかり。まずロジェはお祝いの言葉を述べ「フランスにとっても大変重要なこと。というのも、フランスの我々も1997年の『CURE』のときから、ずっと作品を拝見しているからです」と、その功績をたたえた。フランスでは「CURE」以前の作品も、2012年に行われた黒沢の回顧上映で“発見”される機会があったという。 続いてロジェは「その膨大な作品数に驚くと同時に、さまざまなジャンルを行ったり来たりしながら、製作規模においても、長編を作ったり、時にはあえて短編や中編を作ったり。お手玉をもてあそぶように、さまざまなジャンルや規模を自由に行き来していることに驚嘆を覚えます」と述べながら、黒沢に「日本の映画産業において、ご自身をどのように位置付けているのか。それは産業の中心なのか、それとも端なのか」