峰打ち(みねうち)とは、日本刀などの両刃ではない刀剣の背面にあたる峰の部分で相手を叩くこと。棟打ち(むねうち、𫒒打ち)ともいい、両方の読み方で刀背打ちと書くこともある。なお、刀剣の側面でたたくことは平打ち(ひらうち)という。 峰打ちは技としては存在せず[1]、時代劇の殺陣などで相手を殺さずに倒す手段として使われる。 時代劇ではあらかじめ刀を反転させて構える描写も見られるが、日本刀をはじめとする曲刀は基本的に刃で切ることを前提にした造りとなっており、峰を向けた構えは重心がずれるほか、相手に殺意がないことが伝わるなど、実戦向きではない。また、日本刀は峰側で打つことに対して弱いとされる[2][3]。牧秀彦は著書『剣豪 その流派と名刀』で、「本来の峰打ちは『峰で打つこと』ではなく、『普通に切りかかって相手の体に届く寸前で刃を返すこと』であり、斬撃や打撃の威力ではなく『斬られた』と思い込ませること