「食欲がないときやお酒を飲んだ後、あるいは夜ちょっとお腹が空いたとき、あなたなら何を食べますか?」 この質問に、多くの人は「お茶漬け!」と答えるのではないだろうか。 日本人にとって極めて馴染み深い食事であるお茶漬けのルーツは、平安時代にまで遡る。この時代の貴族は冷たいご飯にお湯をかけて食べていたようで、これは「湯漬け」と呼ばれていた。時を経るとともに湯漬けは一般化し、茶道の発達に伴って、次第にお茶漬けに変わっていった。 さて、現代に生きる私たちにとってお茶漬けといえば、まず思い浮かべるのが永谷園の「お茶づけ海苔」だろう。ご飯の上にパラパラと振りかけ、お湯を注げばハイ出来上がり。サラサラと短時間で食べられるうえ、小腹はしっかり満たされる。日本人にとってはカップラーメンと並ぶくらいポピュラーな即席食品だ。 そのお茶づけ海苔を生んだ永谷園のルーツを辿ると、江戸時代中期に京都の宇治で製茶屋を営んで