デイヴィッド・スピヴァックの著作物を読むときに注意しなくてはならないのは、彼が好んで例に出しているものを彼が好んでいるかどうか分からないことです。評価・価値判断にはあえて触れないのかも知れないし、好悪の感情や批判も称賛もほんとに興味ないのかも知れません。 僕は最初、Functorial Data Migration(http://arxiv.org/abs/1009.1166)は、関係(リレーショナル)データモデルを圏論の立場から合理化するものかと思いました。例として出しているのが関係(リレーショナル)データベースだからです。しかし実際は、スピヴァック理論は関係データモデルの諸概念をほとんど無意味化してしまいます。 RDF(Resource Description Framework)もしょっちゅう例に出しているので、RDFを推奨している印象もありましたが、スピヴァック理論からの帰結は「R
