というふうにいろいろと書いてきたように、今回の企画『この世界の片隅に』(こうの史代原作)の劇場アニメーション化は、前に作った『マイマイ新子と千年の魔法』と密接に結びついている。 何よりも『マイマイ新子と千年の魔法』では、「昭和30年の山口県防府市の片隅」という、一般の観客からしてみればまるでポピュラーではないところを舞台にとっておきながら、それが自分自身の子ども時代と近しいものであるように汲んでもらえることが多かったことが、ならばこの時に採った同じ手法を活かしてもう1本やってみたい、というこちら側の気持ちにつながっていた。 昭和30年といえば、日本は平和を取り戻しており、そこから東京五輪、大阪万博などを通りながら現在にまでつながってきている感もないではない。けれど、もう10年さかのぼってみたらどうだろう。様相は一変してしまう。そこにあるのは「戦時中」という断絶された時代なのだ。たった10年
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