『週刊新潮』 2013年10月3日号 日本ルネッサンス 第576回 集団的自衛権の行使容認に向けた憲法解釈の見直し時期が、年内から年明けにと延びた。慎重論の根強い公明党に自民党が譲歩したためだが、なぜこの好機を見送ったのか。日本にとって好ましからざることだ。 公明党はさる7月の参議院選挙にあわせて集団的自衛権行使容認に「断固反対」の強い表現を用いた。 7月6日のBS朝日の番組では、山口那津男代表が集団的自衛権行使を容認すれば「自民党が国民から拒否される。連立が可能かどうか、しっかり相談する」と述べ、連立離脱の可能性さえほのめかした。 7月21日、参議院選挙当日の夜半、自民圧勝ながら単独過半数には届かないという結果を受けて、私はフジテレビの選挙特番で山口氏に集団的自衛権について尋ねた。氏はこのときも「議論を深めることが大事」「国民の理解を求める」「慎重な議論が必要」とさまざまな表現で事実上反