佐藤学著『「学び」から逃走する子どもたち』(岩波ブックレットNo.524)を読んだ。 本書は2000年に刊行されたもので、多少古いものの、内容は示唆に富んでいると思う。 日本の子どもたちに大きな異変が起きています。 新聞やテレビは「いじめ」「不登校」「学級崩壊」「少年犯罪」なぢ、人びとの関心をひく事柄を中心に報道してきました。これらの現象がそれぞれ深刻であることは確かですが、いずれも一部の子どもの現象であることに注意する必要があります。(略)少なくとも7割から8割の子どもたちを襲っている深刻な危機があります。 「学び」からの逃走です。 日本の子どもは世界でもっとも学ばない子どもになっていると言ったら、多くの人が驚くでしょう。ほとんどの人が「日本の子どもは勉強に追われてゆとりがない」と言ってきましたし、「日本の子どもは受験に苦しみ、塾通いに追われている」と語ってきました。ほとんどの人が、日本