この連載では、ブランドマーケティング戦略専門のコンサルティング会社インサイトフォースの山口義宏代表が、ブランド戦略の推進に挑む企業の担当者にインタビューをし、その舞台裏を明らかにする。第9回は、三井不動産がトップダウンの重要プロジェクトとして取り組む、同社物件に住んでいる人だけに特化した会員制サービス「三井のすまいLOOP」を担当する市場開発部の伊藤昇部長に話を聞く。 山口:三井不動産レジデンシャルは住宅の分譲と販売業務の受託をしています。住宅ならではの売り方、マーケティング手法があると思います。しかし2012年4月に始まった、三井グループの物件居住者限定の会員制サービス「三井のすまいLOOP」は、会費無料なのに大手家電量販店での割引をはじめとする様々な優待が受けられるなど、住宅分譲・販売の概念とはかなり違うサービスです。なぜ、このようなサービスを始められたのですか。 伊藤:住宅ならではの