奈良県大和郡山市で2003年9月、警察官が逃走車に発砲して助手席の男性が死亡した事件の付審判で、殺人と特別公務員暴行陵虐致死の両罪に問われた警察官2人の裁判員裁判の判決が28日、奈良地裁であり、橋本一裁判長は、それぞれ無罪(求刑・各懲役6年)を言い渡した。 警察官は、奈良県警の東芳弘巡査部長(35)(当時・巡査長)と萩原基文警部補(35)(同・巡査部長)。 公務員の職権乱用を巡る付審判が裁判員裁判で審理されたのは初めてで、一般市民の裁判員が警察官の職務行為をどう判断するのかが注目された。 付審判決定などでは、03年9月10日夜、大和郡山市の国道24号でパトカーが車上荒らし事件の手配車両を追跡し包囲。車が逃走を図ったため、2人が助手席側から約1メートルの距離で計3発発砲し、各1発が高壮日さん(当時28歳)の頭部と首に命中。高さんは約1か月後に死亡したとしている。 公判は発砲の正当性と