「松本人志」報道から書き始めた関西「しゃべくり漫才」の源流探訪連載、多くの読者に読んでいただき、まずはお礼から始めたいと思います。 私の論旨は、一人二人の個別芸人スキャンダルではなく、昭和中期にテレビ業界を立ち上げた世代の目からは言語道断としか言いようのない「いじめ芸」全般と、その周辺の不品行の根絶に向けて警鐘を鳴らすことにあります。 今回はとりわけページビューの多寡などよりも、BPO=放送倫理・番組改善機構などで検討の際に、参考になる水準の史的事実、かつて私が慶應義塾大学「日本伝統音楽論」で講じた技芸の歴史的経緯から、問題の核心を記します。 永六輔さんのケースから テレビ草創期からの「良心」として、私を業界に引っ張ってくださった黛敏郎さんなどと並んで、昔は「放送のご意見番」として知られた人が何人かいました。 そんなお一人に、永六輔さん(1933-2016)がおられました。差別問題などを含