地元紙の記者でありながら、アビスパ福岡の観戦歴はゼロ-。後ろめたさを抱えながらもハードルの高さに怖じ気づく31歳記者に先月、転機が訪れた。「僕が案内しましょう」。声を掛けてくれたのは、福岡市出身の名物サポーターで長崎県立大3年の龍恭平さん(20)=同県佐世保市。6月16日のホーム戦を一緒に観戦し、魅力に迫った。 試合開始3時間前の午後3時。博多区の地下鉄福岡空港駅で出迎えてくれた龍さんは、ネイビーブルーのユニフォームに身を包み気合十分。「試合やスポンサーを周知したくて、佐世保から歩いて来ました」。驚きだ。 「若者に観戦のきっかけを作ってあげたい」と語る龍さんは、サポーター歴10年。5月から初観戦者の付き添いを始め、ファンの間で話題を集めている。「オフサイドなら分かります」「イケメン選手よりグルメかな」…。雑談しながら約20分歩き、真っ白なアーチ状の屋根を冠したレベルファイブスタジアムに着い