この連載では再開後のJリーグでさらなる活躍が期待される各クラブの注目選手を紹介していく。連載第20回はアビスパ福岡の新戦力で、今季開幕戦でいきなりその力を示したFW、遠野大弥について綴る。 ゴールへの高い意識と積極的な仕掛けも遠野の魅力だ(写真◎J.LEAGUE) 際立つのは前を向く力だ。 速く、巧みに反転し、ボールを縦に運んでいける。とにかく、ムダがない。狭い囲いの中にあっても、やすやすと抜け出していく。その機動力についていける守備者はそうはいないはずだ。 前を向いてからのドリブルやシュートの意識が持ち味――と、本人も自信を隠さない。実際、プロの世界に身を投じて、天皇杯で深めた手ごたえが確信へと変わったか。何しろ、開幕戦ではペナルティーエリア内で守備者を背負いながらシャペウ(ボールを浮かし、敵の頭上を抜く技)をかまし、くるりと反転する軽業まで演じている。 うかつに飛び込むと火傷するぜ――