東浩紀氏が「ポストモダニズム系リベラル」の考えとして「公共空間の言論は開かれていて絶対的真実はない」と書いておられます(「歴史認識問題についていくつか」). このような言明にでてくる「真実」は,「事実」を含まない「みんなの意見」を大げさに表現したものでしかありません. まず,東氏の議論は次のとおりです: 1.私的信念について 東浩紀は南京大虐殺は(規模の議論はともあれ)あったと考える。 これは随所で公言している。 2.公的真実について 東浩紀が「リアルのゆくえ」および今年後期の東工大の授業で展開している主張は、下記のとおり。 A.いまの日本社会に、南京大虐殺があったと断言するひとと、なかったと断言するひとがそれぞれかなりのボリュームでいるのは事実である(この場合の南京大虐殺は例)。 B.ポストモダニズム系リベラルの理論家は、「公共空間の言論は開かれていて絶対的真実はない」と随所で主張してい