天才は死す pi 学習塾の生徒と先生。出された問題を解き、新たな出題をする。たったそれだけの、しかし決闘のような関係は、突然に終わりを迎える。「私」を天才と認める前に、先生が逝ってしまったことで――。月例賞出身作家が放つ、凡人と天才の物語。
正直なところ言及したくない話題なのですが、最近あまりにもひどい動きが散見されるので今の私の考えを書き留めておくことにします。 予めこの記事で「しないこと」について記しておきます: 丁寧な背景説明 現行の教育方針に対する是・非の判断 何が問題なのか? 客観的な事実 数 a と数 b があったとき、a\times b と b\times a は同じ結果をもたらします。両者は等号で結ばれるものであり、両者に数学的な違いは存在しません。これ自体は疑いようのない事実であり、誰の目にも明らか[1]です。 注意すべきなのは、このことを理解するために高度な数学の知識は全く必要がないということです。つまりここで「実数体の乗算の性質が」とか「可換環が」とか言い出すのは追加の情報を与えないので無意味な行為です。 そしてそれは同時に、高度な数学の知識を有していることがこの問題に向き合うにあたってアドバンテージにな
17世紀に考案された計算器具「計算尺」を世界で唯一操ることができる計算尺家で、人間国宝の野井満千葉電波大学名誉教授が16日、亡くなった。121歳だった。野井さんの他界により、計算尺を使いこなせる人類は絶滅したことになる。 2103年生まれ。「第4次Z世代」と呼ばれた幼少時から計算尺の魅力に取りつかれ、28年、世界最後の計算尺研究拠点米プロンストン大で博士号を取得(同年廃校)。帰国後は日本の計算尺研究の第一線で孤軍奮闘した。主著に『計算尺―その栄光と没落』『AIvs計算尺』(いずれも千葉電波大学出版局)がある。曽祖父は円周率が割り切れる数であることを証明した業績でフォールズ賞を受賞した野井朗是千葉電波大名誉教授。 29年、千葉電波大学物理学部に着任すると、消滅寸前の計算尺を次世代に伝える「計算尺概論」を開講。退官するまで38年連続受講者数ゼロは同大最高記録。22世紀半ばには、野井さんが計算尺
「ブロックチェーンのトリレンマ」とは、2017年にイーサリアムの創設者ヴィタリック・ブテリン氏が提唱したもので、性能(scalability)、安全性(security)、分権性(decentralization)の3つにはトレードオフがあり、同時には2つまでしか成立しないことを表すものだ。ただし、あくまでも経験則であり、これまで数理的に表現されたことはなかった。 京都大学の研究グループは「ブロックチェーンのトリレンマ」を表現する数式を発見したと4日、発表した。具体的には、ビットコインなど、プルーフ・オブ・ワーク(Proof of Work:PoW)型のブロックチェーンにおいて、安全性を下げるフォークという現象が起きる確率の逆数を「安全性の指標」とした場合に、その項と、性能を表す項、分権性を含む項、それら3項の積が一定である、つまり3項がトレードオフであるという数式を得たという。 なお、研
先日こういうツイートが流れてきた。 Q:なぜ金融系では未だにCOBOLが使われるんですか? A:お手元にExcelがありましたら任意のセルに「=4.8-4.7-0.1」って入れてみてください。— 遊撃部長F/S&RWAs (@fstora) 2024年6月6日 Q:なぜ金融系では未だにCOBOLが使われるんですか? A:お手元にExcelがありましたら任意のセルに「=4.8-4.7-0.1」って入れてみてください。 普段我々がゴリゴリ馬車馬のように使っているソフトウェアでよく利用されている浮動小数点型、すなわちfloatやdoubleなどは特定の算術に弱いことが知られている。というかもうこの手の話題はあまりに拡散されてしまったので、なぜかネット民はみんな知っている基礎教養、三毛別羆事件とかデーモンコアみたいな感じになっている。 ちなみにこれはCOBOLかそうではないか、という軸が問題になっ
大学受験ときに現代文のための勉強として、小林秀雄『考えるヒント』や柄谷行人『隠喩としての建築』などを誰もが読んだと思います。批評家や哲学者というのは、すぐれた思考を出来るはずの人ですが、時として結論を間違えます。 例えば、『考えるヒント』には次のようにあります。 (全知の存在が二人で勝負したら、将棋という遊戯は成立しなくなる、という中谷宇吉郎との対話の後で) ポオの常識は、機械には、物を判断する能力はない、だから機械には将棋は差せぬ、と考へた。(略) (電子計算機の原理や構造についても)ポオの原理で間に合う話だ。(略)ほんの少しでも、あれかこれかを判断し選択しなければならぬ要素が介入して来れば、機械は為すところを知るまい。これは常識である。常識は、計算することと考へることとを混同してはゐない。将棋は、不完全な機械の姿を決して現してはゐない。熟慮断行といふ全く人間的な活動の純粋な型を表してゐ
「Immersive Math」は、数学のうちベクトルや行列などの計算を研究する分野である「線形代数」についてインタラクティブな図を用意することでわかりやすさを向上させた無料の教科書サイトです。 Immersive Math https://immersivemath.com/ila/index.html サイトのトップページはこんな感じ。「完全にインタラクティブな図を備えた世界で最初の線形代数本」と述べられています。 中央に表示されている三角形の図はインタラクティブで、左上をクリックすることで回転・停止を切り替えられるほか、各頂点をクリックしてドラッグ&ドロップすることで位置を調整可能。自由に図を編集できるため理解しやすいというわけです。 ページをスクロールすると目次が現れました。まずは「Preface(序文)」をクリック。 「『百聞は一見に如かず』という言葉の通り、たくさんの言葉を重ね
「2辺(a、b)上の2つの正方形の面積の和は、斜辺(c)上の正方形の面積に等しくなる」という三平方の定理は、「ピタゴラスの定理」とも呼ばれ、古代ギリシャのピタゴラスが発見したとの逸話が残されています。しかし、ピタゴラスが生まれる1000年以上前にバビロニアで作られたとされる粘土板に、三平方の定理について記されていたことが明らかになっています。 Pythagoras: Everyone knows his famous theorem, but not who discovered it 1000 years before him | Journal of Targeting, Measurement and Analysis for Marketing https://link.springer.com/article/10.1057/jt.2009.16 The Pythagorean
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NHK で放映された『笑わない数学』という番組の次の回が話題になっていた. www.nhk.jp 企画意図としては「\(1+1=2\) という式を通して数学基礎論という分野を紹介する」というものだったのだが,怪しい説明や誤解を招く説明,端的に誤っている説明があった.というか,全体を通してそういうものがとても多かった.どう少なく見積もっても番組の内容の半分以上がそういうものになっている.正直,全然笑えない.笑わないのではなく笑えない. そういった説明に注意喚起を促し,簡単にだが訂正をするための記事を以前書いた.その記事は速報性を重視して書いており,「ここが怪しい」「ここが間違っている」ということだけを伝えることを目的としていたため,詳細や「具体的にどう直すべきだったのか」という点の記述が不十分であった.というか,一部わたしも素でまちがったこといくつか書いちゃった(訂正・取り消し線による削除済
The game of Othello is one of the world's most complex and popular games that has yet to be computationally solved. Othello has roughly ten octodecillion (10 to the 58th power) possible game records and ten octillion (10 to the 28th power) possible game positions. The challenge of solving Othello, determining the outcome of a game with no mistake made by either player, has long been a grand challe
こんばんみんみん。 バーチャル幼女プログラマーという肩書でインターネットをやっているきりみんちゃんというものです。 競技プログラミングのAtCoderというサービスに日々取り組んでいるんですが、この度めでたく緑レートになることが出来ました。 いわゆる色変エントリというやつです。 で、誰?3年前にこんなエントリを書いた者です。 VTuberをやったり絵を描いたりしてる社会人エンジニアです。 専門分野はAndroidでしたが、最近はフルスタックエンジニアを目指してフロントエンドやバックエンドなどをやっています。 現在のAtCoderコミュニティの中心層は理系の学生やもともと数学がかなり好きなタイプの人たちです。 一方きりみんちゃんはプログラマでありながら数学にコンプレックスがあり、それどころか小学2年までしか義務教育を受けていないため、中学、高校レベルの基礎的な数学の教養が全くありませんでした
「ピータースのコイントス」は「大勢の参加者の平均」を求めると必ずプラスになる賭け事に見えるのに、実際に何度も挑むと大敗を喫することになる魔のコインゲームです。ピータースのコイントスを考案したオーレ・ピータース氏は、当該ゲームの恐ろしさが一発で分かるシミュレーターを公開しています。 The infamous coin toss – Ergodicity economics https://ergodicityeconomics.com/2023/07/28/the-infamous-coin-toss/ ピータースのコイントスのルールは以下の通り。 ・所持金は100ドルからスタート ・コインを投げて表が出たら所持金の50%を追加でもらえる ・コインを投げて裏が出たら所持金の40%を没収される ・コイントスは何回繰り返してもOK ルールをパッと読むと「もらえる割合の方が没収される割合よりも大き
日本で使用されている算数・数学の教科書から変数「x」が消えることが28日、わかった。ツイッターを所有する米起業家のイーロン・マスク氏がXの独占使用権を獲得したため。突然の通告に出版社も対応に苦慮している。 数学の教科書を手がける複数の出版社が27日、全国の教育委員会と書店に「弊社算数及び数学教科書の回収・交換に関するご案内」という文書を相次いで送付した。いずれも教科書に登場する変数「x」が買収によって使用できなくなったため、8月下旬までに改訂版と交換するという内容だった。 中高生向け数学教科書を出版する鱒出版によると25日、マスク氏の代理人を名乗る人物から、数学に関する出版物におけるXの独占使用権を氏が獲得したため、今後教科書内でxの使用を禁じる内容の通告があったという。担当者は「xは数学で最も重要な概念。かなり厳しいところを突かれてしまった」と戸惑いを隠せない。 Xに対するマスク氏の執着
1. はじめに こんにちは、東京大学 3 年の米田と申します。この度は、ダイヤモンド社から『高校数学の基礎が 150 分でわかる本』という書籍を出版させていただくことになりました。高校数学の基礎を図解で超わかりやすく説明した本です。 【フルカラー図解】高校数学の基礎が 150 分でわかる本 - Amazon 発売日は 3 週間後の 2023/7/26 です。電子書籍版も同時期に出る予定です。本記事では、この本の内容や特徴について、簡単に紹介させていただきます。 2. この本はどういう本か 本書は、主に次のような方に向けた、高校数学の「超」入門書です。 高校数学をはじめて学ぶ方 数学を学び直したい方 日本ではたくさんの数学の本が毎週のように出版されています。しかしこの中の多くは、難しくて多数の人が挫折してしまうか、雰囲気でわかった気にはなるけど結局身に付かないかのいずれかです。 そこで本書は
エンジニア兼コンテンツクリエイターのセルジー・ゴルディエフ氏は、「車輪は丸い」という常識を覆しました。 なんと、三角形の車輪を持つ自転車の開発に成功したのです。 彼は自身のYouTubeチャンネル「The Q」で、この自転車を作る方法を解説し、実際に乗って見せています。 ゴルディエフ氏によると、乗り心地は悪くなく、むしろ「快適です」とのこと。 who said wheels have to be round? this triangle-wheeled bike is just as functional https://www.designboom.com/design/triangle-wheeled-bike-functional-sergii-gordieiev-05-24-2023/#
この画像を大きなサイズで見る 何十年も探し求められた「アインシュタイン」のタイルがついに発見されたそうだ。 それは13の辺を持つジグソーパズルのような図形で、どれだけ並べても、絶対に同じパターンが繰り返されることはない。 数学の世界で「非周期的モノタイル」と呼ばれるこの形状の発見は、数学の歴史の革新的発見(ブレイクスルー)と称されている。 この図形の不思議さとすごさ、面白さを説明していこう。 非周期的タイルとは何か? 「アインシュタイン」とは言っても、あの天才物理学者アルベルト・アインシュタインのことではない。ドイツ語で「1つの石」のことで、つまりは1枚のタイルであることを意味するものだ。 これについて、発見者の1人であるカナダ、ウォータールー大学のクレイグ・カプラン教授は、「私たちは史上初の本物の”非周期的モノタイル”を紹介しています」と声明で述べている。 「非周期的タイル」とは何か?
Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。Twitter: @shiropen2 英国の数学者らと、カナダのウォータールー大学と米アーカンソー大学に所属する研究者らが発表した論文「An aperiodic monotile」(プレプリント)は、繰り返しパターンを作らず、2次元の表面を無限に敷き詰めることができる単一のタイル形状を発見した研究報告である。 このような図形を非周期的なタイルと呼び、2次元の平面にタイルを隙間なく敷き詰めるが決して周期的ではない形状を指す。 非周期的なタイルの最初の集合は、1966年に発見された2万種類以上のタイルの組み合わせだった。その後、タイルの種類を減らす方向に研究が進んだ結果、最も有名な非周期的なタ
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