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2024年ランキング
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2025年になったので、この一年間で個人的に購入や試聴して気に入ったポータブルオーディオ機器についてまとめたいと思います。 2024も面白い新作が色々ありました 業界全体が安定・成熟してきた一方で、意外と大きな変化も感じられた一年だったので、自分でも欲しいと思える新製品が多かったです。 2024年今回は2024年を通して個人的に気になった新作などを思い浮かぶままに書き留めているだけなので、ここで取り上げなかったからといって音が悪いとか、お勧めできないわけではありません。試聴してみたくても、身の回りで試聴機を貸してくれるところが見当たらなかったモデルも結構多いです。 私の場合、身近な友人が入手したものを貸してくれたり、店頭デモ機などを試聴することが多いので、基本的に運任せなのは例年と変わりません。 もう一点、最初にお断りしておきたいのは、Bluetoothワイヤレスイヤホン・ヘッドホンは今回
CayinからNutube搭載ヘッドホンアンプC9の後継機C9iiが出たので試聴してみました。 Cayin C9ii DACを搭載していないアナログヘッドホンアンプで価格はUS$2000、ポータブルというにはずいぶん大きいですが、膨大な種類のサウンド設定が用意されている最高峰クラスの製品です。 Cayin C9iiCayinの公式サイトによると、Nutube真空管採用モデルは今回で五作目になるそうで、これまでの経験を活かして最高のものが作れたそうです。 Nutubeというのはポテンシャルがある一方で実装が難しく、とくにポータブル用途においては電源管理の複雑さや、外部衝撃や電磁波ノイズに弱いなど、私もいくつか試してみたところ不満が残るモデルばかりでした。 Korg HA-Sのようなチープな自作キットであれば遊び半分で試してみる気にもなりますが、10万円を超えるような本格派アンプでNutube
つい最近Unique Melodyの新作イヤホンMaven IIを試聴してみたのですが、そういえば、ここ数年のUMイヤホンは個人的に結構気に入っているのに、ブログで取り上げる機会も無かったので、あらためて振り返ってみました。 Unique MelodyMEXT、MEST MK II、MEST MK III、Maven Pro、Maven IIの五種類をじっくりと聴き直して感想などをメモしておきます。 Unique Melody近頃のUnique Melody(UM)は新たなルネッサンスというか黄金期を迎えていると思います。最近試聴した新作はどれも特徴的でありながらサウンドとデザインの完成度が高く、常用に耐えうるハイエンドイヤホンとしてかなりお薦めできるブランドです。 私にとってUMはずいぶん付き合いが長いメーカーです。MaverickとMavisのどちらを買うかで真剣に悩んでいたのは201
iFi AudioからGO bar KenseiというUSBドングルDACを購入したので感想を書いておきます。 iFi Audio GO bar Kensei2024年3月発売で約8万円弱という、ドングルDACとしては非常に高価な製品です。JVCのK2テクノロジーが実装されているということで、K2ファンとして興味本位で買ってみました。 iFi Audio英国iFi Audioの製品を買うのは意外と久しぶりです。15年くらい前は革新的な製品を次々と出すスタートアップ企業の勢いがあり、とくに出世作のmicro iDSDシリーズを気に入って、初代からBlack Label、Signatureまでモデルチェンジごとに買い替えていました。今でも職場のパソコンで常用しています。 近頃は中国系メーカーの追い上げが激しく、優れたライバル製品が続々登場する中でmicro iDSDの後継機はどんどん高額化して
KuraDa KD-Q1というヘッドホンを試聴してみたので、感想を書いておきます。 KuraDa KD-Q1 2024年8月発売のダイナミックドライバー開放型ヘッドホンで、価格は22万円くらいです。知る人ぞ知るといったニッチなメーカーなので、久々の新作がどのようなサウンドか気になります。 KuraDa最近の新参ヘッドホンユーザーはKuraDaという名前にピンと来ないかもしれませんが、この趣味を長く続けている人にとっては気になる存在です。私のイメージでは、2016年ごろに奇抜なハイエンドヘッドホンを続々とリリースして、それから現在まで影を潜めていた謎めいたメーカーです。 公式サイトにある過去作当時のモデルKD-P1やKD-FP10の写真を見ても、只者ではないハイエンド感が伝わってきます。明らかに大量生産できなさそうな手作りの嗜好品といった風格があり、生粋のマニアが愛蔵するようなモデルなので、
Fostexの定番ヘッドホンT50RPに新型の「mk4」が登場したので試聴してみました。 Fostex T50RPmk4 平面振動板ヘッドホンの代名詞でありながら3万円台という低価格が魅力的で、長年ファンの多いシリーズです。 T50RPフォステクスから前作「T50RPmk3」が登場したのが2016年頃だったので、今回の「mk4」は実に8年ぶりの更新ということになります。 欧米や中国の新興ブランドが毎月のように新作を出しているのに慣れてしまうと、ずいぶん長いブランクのように感じられますが、優れた製品を作っていれば、そうそう頻繁に更新する必要はありませんから、むしろこれくらいの周期が普通であるべきです。話題性に依存せずとも長期的に売れ続けるという自信の現れでもありますし、買う側としても、すぐにモデルチェンジで陳腐化しないという安心感があります。 公式サイトによると、初代T50は1974年発売と
HiByから変な新製品が出たので試聴してみました。FD5という名前で、公式サイトによると「サイバーパンク・デスクトップHiFi」だそうです。 HiBy FD5ACアダプター駆動のUSB DACヘッドホンアンプで、Bluetooth入力もあります。デザインはたしかに奇抜ですが、音質はどうなのか気になります。現時点では日本未発売です。 FD5中国のHiByは新たなジャンル開拓に怯まないあたりに好感を持てます。 少し前のHiBy Digital M300というDAPも公式サイトにて「Gen-Z Music Player」と明記してありましたし、今作FD5はサイバーパンクがテーマだそうです。Gen-Zのように対象年齢が限定されないのは良いですが、それにしても、このデザインにゴーサインを出せるメーカーというのは凄いです。 ちなみにFD5というモデル名はFiioのイヤホンとかぶるので、もうちょっとオリ
今回はiBassoの新作DAP DX180を試聴してみました。 iBasso DX180DX170の後継機として2024年7月に発売、価格は約8万円です。2月に登場した16万円のDX260とよく似たデザインの兄弟機でもあります。 DX180前回はライバルHiByからの新作DAP 「R4」を取り上げたばかりなので、今回も似たようなAndroidポータブルDAPということで手短に紹介したいと思います。 iBassoは以前試聴したPB5やD16のようなマニア向けの高級ヘッドホンアンプ製品で有名ですが、近頃は売れ筋の普及価格帯でも頑張っており、たとえばUSBドングルDACなんかはモデルチェンジのペースが速すぎて付いていくのも大変です。 DX170・DX180その点DAPの方は比較的落ち着いたペースで、 DX160 (2020) DX170 (2022)DX180 (2024) と二年ごとに更新され
HiByの新作DAP R4を試聴してみたので、感想を書いておきます。 HiBy R42024年6月発売、フルサイズのAndroid搭載機でありながら約45,000円という低価格なモデルです。他社製品と比べてもここまで安いのは珍しいです。 HiBy DAP中国HiByのDAPラインナップはこれまでにR3、R5、R6、R6PRO、R8という5グレードが用意されており、最初期からあるR6においては、すでに第三世代のR6 III (Gen 3) まで進化しています。R3、R5、R8もGen 2に更新された中で、今回新たなグレードとしてR4が登場しました。 価格的には3万円台のR3 IIと6万円のR5 IIのちょうど中間に位置する45,000円という値段になるわけですが、なぜわざわざ発売する意義があるのかというと、R3はコンパクトな独自OSのDAPになってしまうため、Android OSとGoogl
QDCからSuperior EXとEmperorという二つのイヤホンを試聴してみたので感想を書いておきます。 QDC Superior EX & Emperorどちらも2024年5月発売の新作で、Superior EXは3万円、Emperorは50万円と、とんでもない価格差があります。同じメーカーの両極端を同時に試聴してみるのも面白いと思いました。さらにSuperior EXはQDCとFitearのダブルネームというのも珍しいです。 QDC少し前にQDCのイヤホンを新旧色々と試聴した感想をブログに上げましたが、その中でもSuperiorという1万円台の低価格モデルと、Anole V14という40万円の高級モデルがそれぞれ印象に残りました。 今回試聴するSuperior EXはそんなSuperiorの路線を発展させた上位モデルということで期待が持てますし、その一方で、Anole V14ですら
Astell&Kernの新作DAP SP3000Tを聴いてみたので、感想を書いておきます。 2024年6月発売、55万円の超高級DAPです。2022年に登場したSP3000の兄弟機のような位置づけで、今作のユニークな点として真空管アンプ回路を搭載しています。 SP3000 & SP3000TSP3000はAstell&Kern (AK)の現行最上級機で、私がこれまで試聴してきたDAPの中でもナンバーワンに掲げているモデルです(残念ながら高価すぎて購入できませんが・・・)。 他社からも50万円を超える高価なDAPが続々登場している中で、純粋にイヤホンを鳴らした時の音質でSP3000に敵うものはないと思っています。 そんなSP3000は2022年に発売したモデルなので、そろそろ後継機の噂でも流れるかと思っていたところに登場したのが今回のSP3000Tになります。 SP3000T 真空管搭載のS
Beyerdynamic DT 770 PRO X Limited Editionを購入したので感想を書いておきます。 DT770 PRO X ベイヤーダイナミック創業100周年を記念して、2024年4月に35,000円で登場した新作ヘッドホンです。単なる外観だけの記念モデルというわけでなく、歴史的名機「DT770 PRO」と最新鋭機「DT700 PRO X」を融合させた、見た目以上に手の込んだアイデアです。 DT770 & DT700ドイツのベイヤーダイナミック社は100年の歴史があるメーカーだけあって、似たようなモデル名が多くてややこしいです。私自身もこれを書いていて混同してしまいそうになります。 まず1980年代から続く密閉型ヘッドホン名機DT770 PROがあり、2021年に次世代のSTELLAR.45ドライバーを搭載したDT700 PRO Xがラインナップに加わりました。 DT7
MADOOの平面型イヤホンTyp821を聴いてみたので、感想を書いておきます。 MADOO Typ821 2023年発売で22万円という比較的高価なモデルですが、Acoustuneの兄弟ブランドという事もあり、個人的に楽しみにしていました。 MADOO価格コムなどを見るとメーカー名がAcoustuneに分類されているなど、MADOOとAcoustuneは密接な関係にあり、オーディオイベントでも同じブースで展示されている事が多いです。 2013年に発足したAcoustuneがダイナミック型ドライバーを中心の製品を出しているのに対して、MADOOは2021年に生まれた新しいブランドで、平面型ドライバーに特化した企画のようです。 私自身も以前からAcoustuneが好きでイベントブースに新作を聴きにいったところ、そこにあったMADOOのサウンドに興味をひかれてしまった一人です。 MADOOとAc
Astell & KernのKANN ULTRA DAPを試聴してみたので感想を書いておきます。 AK KANN ULTRA2023年11月発売、AKの中でも大柄なKANNシリーズの最新作で、約27万円だそうです。最近のAK DAPの中でも中堅に位置するようなモデルなので、どんな感じなのか気になります。 AK KANNKANNシリーズというのも、2017年の初代モデルから、ずいぶんと紆余曲折を辿ってきたDAPだと思います。 その頃はまだポータブルDAPは「イヤホンを鳴らすための非力な小型デバイス」というイメージがあり、そんな中で大型ヘッドホンでも余裕で鳴らせるDAPとして登場したKANNは画期的な製品でした。デザインもこれまでの高級志向なAKとは一味違う無骨なワイルドさが魅力的で、初代KANNは私も発売時に購入して、かなり使い倒した記憶があります。 それ以降、FiioやiBassoなど中華
Ultrasoneの密閉型ヘッドホンSignature Pureを聴いてみたので感想を書いておきます。 Ultrasone Signature Pure2023年9月発売、3万円という手頃な価格帯でありながら、ドイツ製で50mmドライバーにS-Logic 3を搭載するUltrasoneらしいモニターヘッドホンです。 UltrasoneUltrasoneというのは二面性のあるメーカーです。我々ヘッドホンマニアにとっては金銀財宝のような超高級ヘッドホン「Edition」シリーズで有名で、創業者の独創的な感性による驚きを楽しむ鬼才ブランドという印象があります。 その一方で、ヨーロッパでは古くから楽器店で販売するような普及価格帯ヘッドホンでも大きなシェアを持っていました。日本はオーテクやソニーなどが強いので、そちらの側面が注目される機会も少なかったように思います。ゼンハイザー、ベイヤーダイナミック
Empire EarsのRavenというイヤホンを試聴してみたので感想を書いておきます Empire Ears Raven2024年3月発売、2DD+5BA+4静電+1骨伝導の12ドライバー構成ということで、値段もそれに見合うような60万円という超高級モデルです。 Empire Ears私自身Empire Earsはそこそこ縁のあるメーカーで、予算的に手が届くかは別として、主要なモデルは一通り試聴してきたのですが、これまで当ブログで紹介する機会もほとんど無かったように思います。 音が悪いとか、メーカーの方向性に共感できないわけではありません。しかし、このメーカーの特色というか悪いクセとして、モデルごとに音作りのスタイルがあまりにも違いすぎて、ラインナップの一貫性が伝わってこないため、レビューするにしても、なんて書けば良いのかわからないという難点があります。 Raven 他のモデルも色々と聴
シンガポールのDITA AudioからProject Mイヤホンを購入したので、感想を書いておきます。 DITA Audio Project M2023年12月発売、1DD+1BAの2WAYハイブリッド型で、高級志向のDITAとしては珍しく5万円という比較的手が出しやすい価格です。ついでにドングルDACのNavigatorも試聴してみました。 Project M今回Project Mを購入した理由は、身も蓋もない話ですが、値段が意外と安かったからというのが一番大きいです。 これまでのDITA Audioというと40万円超のPerpetuaを筆頭にかなり高価格帯に寄せており、サウンドに感銘を受けても私の財布では手が出せなかったところ、そんなDITAのイヤホンが5万円でということで、どうしても気になってしまいました。 安さに釣られたというよりは、この値段で本当にDITAらしいサウンドが実現でき
iBasso新作の最後はアナログポタアンのPB5 Ospreyです。写真でも見えるようにNutube真空管を二つも搭載している贅沢な構成で、値段も前回のD16と同じUSD$1,500です。 Nutubeが点灯しますDACは非搭載、アナログ入力のみのヘッドホンアンプなので、ラインソースにヘッドホン出力を追加したり、ドングルDACからのブースターアンプとしても活用できます。 PB5 OspreyPB5のシャーシは前回紹介したDACアンプのD16 Taipanと全く同じで、あちらでは液晶画面があったところがPB5では窓になっており、Nutube真空管が点灯しているのが見えるようになっています。電源スイッチが見えにくい場所にあるので、切り忘れ確認にも役に立ちます。 D16 Taipanと比較Nutube真空管は2016年の登場以来オーディオ機器ではずいぶん見慣れた光景になりました。あいかわらず6P
前回のDC-Eliteに続いて、iBassoからのポータブルDACアンプD16 Taipanを試聴してみました。 iBasso D16 Taipanバッテリー搭載の大型DACアンプなので、IEMイヤホンから大型ヘッドホンまで何でも鳴らせる万能機として活用できます。値段もUSD $1500という高級機です。 D16 Taipanこの手のポータブルDACアンプでは、iBasso以外にも古くはiFi Audio micro iDSDや最近はFiio Q7・Q15などを筆頭に、各メーカーが作り続けているあたり、あいかわらず人気ジャンルなのでしょう。 ポータブルでここまで大掛かりな機器を使いたがるのは相当なマニアだけですし、ヘッドホンも存分に鳴らせるとなると、高級ヘッドホンに見合う高音質が求められるわけで、価格帯も最近では10万円以上のモデルが多くなっています。40万円もするChord Hugo 2
iBassoからDACアンプ関連の新製品が続々登場しているので、いくつかまとめて試聴してみようと思いました。 DC-Elite D16 Taipan PB5 OspreyドングルDACの最上級機DC-Elite、ポータブルDACアンプD16 Taipan、NutubeアナログアンプPB5 Ospreyの三種類です。まず最初に一番シンプルなDC-Eliteから聴いてみます。 iBassoiBassoというとFiioと並ぶ中国最古参のポータブルオーディオメーカーなので、古くからイヤホンを使っている人なら懐かしい思い出がたくさんあるだろうと思います。 発足当初はポタアンに強いメーカーというイメージでしたが、DAPやドングルDACなど時代に沿った製品ジャンルを展開しており、最近ではイヤホンなんかも好評を得ています。 緑色のケースで統一されています今回試聴してみた三機種はセットとして登場したわけでは
少し前にヤマハのヘッドホンYH-5000SEについての感想を書いたのですが、今回はそれと同じシリーズのヘッドホンアンプHA-L7Aを聴いてみました。 YH-5000SE+HA-L7A 約44万円のDAC内蔵ヘッドホンアンプで、YH-5000SE専用というわけではなく、他社のヘッドホンでも使えるモデルです。 ヤマハのヘッドホン 今回紹介するヘッドホンアンプHA-L7Aは、本来はヤマハYH-5000SEヘッドホンとのセットで使うべく開発されたモデルなのだと思いますが、私がYH-5000SEを試聴した時点ではアンプの方が手に入らず、ヘッドホンのみを借りて、身近にあるアンプで鳴らしました。 当時はChord DAVEやiFi Pro iCAN Signatureで鳴らしました それから数ヶ月が経ち、2023年末にHA-L7Aアンプをようやく借りる事ができたので、今回これらを合わせて試聴することがで
例年通り、2023年に聴いたクラシック新譜の中でもとりわけ演奏内容と音質が良かったものをいくつか紹介します。 2023年も色々聴きました クラシックをあまり聴かない人も、オーディオ機器のテストに活用するなどで、その魅力に目覚めてもらえると嬉しいです。 2023年のクラシック音楽毎年書いているこの記事も、2022年はちょっと諸事情により取り下げることになってしまったので、二年ぶりになりますが、今回はそのあたりにも気をつけてまとめようと思います。2022年のも文章は残っているので、いつか再編集して上げることができればとは思っています。 サブスクリプションストリーミング全盛期の2023年でも、私の一年を振り返ってみると、あいかわらずクラシックの新譜だけで400枚近く購入しました。 タワー限定SACDとかを除いて、物理盤で買うことはほとんど無くなりましたが、まだまだFLACやDSFのダウンロード購
例年通り、2023年を通して試聴したり購入した中で、気に入ったイヤホン・ヘッドホン製品の話題を振り返ってみます。 もちろんすべての新作を網羅しているわけではないので、ご了承ください。 個人的によく使ったイヤホン、ヘッドホン まず最初に、この一年で私自身が個人的によく使ったモデルを思い返してみます。こういうのは必ずしも自分が持っている一番高価なモデルではなかったりするのが面白いです。 Hi-X60が個人的な一年のベストです 自宅で使う大型ヘッドホンは数年前からフォステクスの開放型TH909が自分にとっての最高峰で、それについては変わっていないのですが、2023年を通して最も長時間活用したヘッドホンとなると、意外とAustrian Audioの密閉型Hi-X60が圧倒的な一位になりました。 Austrian AudioのヘッドホンはHi-X55とHi-X65も買っており、それらは「プロモニター
QuloosというメーカーのポータブルUSB DAC・ヘッドホンアンプ「MUB1」を試聴してみたので、感想を書いておきます。 Quloos MUB1最先端のスペックで、価格はUS$500程度という比較的安価なモデルです。バランス駆動はもちろんのこと、Bluetooth受信やS/PDIF出力といった豊富な機能を搭載してるので、USBドングルDACからのアップグレードに最適かもしれません。 Quloos MUB1以前からQuloosというメーカーの名前は知っていたものの、これまで実機を触る機会が無かったのですが、身近な友人が今回MUB1を貸してくれたおかげでじっくり試聴することができました。 Quloos MUB1Quloos、もしくはQLS Hifiというのは中国のメーカーで、漢字では乾龍盛電子科技というそうで、中国語読みの頭文字の三文字オーディオブランドが近頃あまりにも多い中で、さらにQL
肝心のドライバーには88mm静電振動膜を採用しているそうで、グリルを通して見ると、まるでティッシュペーパーのように薄い膜が確認できますが、これが振動膜でしょうか。同じ静電型のSTAX SR-X9000と並べて比べてみると、サイズ感はほぼ同じでも印象がずいぶん違います。 ちなみにDan Clark Audioは一般的なヘッドホンの通例どおり音が出てくる部分の事を「ドライバー」と呼んでいるのですが、静電型ヘッドホンにおいては、STAXが自社のヘッドホンアンプの事を「ドライバー」や「ドライバーユニット」と呼んでいるため、振動膜をドライバーと呼ぶのは静電型ファンには馴染めないかもしれません。 重い永久磁石を必要としない静電型ヘッドホンのメリットとして、例えばSTAX Lシリーズのように、ヘッドホン全体をとても軽量に作れる事が挙げられるのですが、CORINAは465gということで、一般的なヘッドホン
平面振動板の開放型ヘッドホンで、2022年12月登場、価格は約50万円というハイエンド製品です。最近はこの価格帯で主に海外からのライバルが多いので、新参のヤマハがどれくらい健闘しているのか気になります。 ヤマハオーディオにおけるヤマハというのはかなり謎の多いメーカーです。 一般的にはヤマハというと楽器やプロオーディオのメーカーというイメージがありますが、私のようなCD世代の人にとって、ヤマハは家庭用の据え置きオーディオ機器でも結構名を馳せていた印象があり、私自身、子供の頃自宅にあったNS10Mモニタースピーカーで相当音楽を聴きましたし、初めて自分で買った本格的なオーディオ機器も中古のCDX-640 CDプレーヤーだったなど、かなり身近な存在でした。 その後私はオーディオ機器を解体修理するようになって、毎回ヤマハの製品を見るたびに、他社とは一味違ったミニマリズムというか、単なる物量投入やエキ
QDCの現行イヤホンの中から面白そうな四機種をまとめて試聴できる機会に恵まれたので、感想とかを書いておきます。 一万円台の新作エントリーモデルSuperiorから、Folk、Tiger、そして40万円のAnole V14に至る幅広いラインナップの中で、それぞれの音質差やQDCというメーカー全体の特徴などを探ってみたいと思います。 QDC私にとってQDCというのは長らく謎に包まれた存在です。中国のイヤホンメーカーで、かなり昔からハイエンドに君臨している由緒正しいブランドだという事は知っていましたが、これまでなかなかじっくりと試聴する機会にも恵まれず、若干敬遠してきた感じもあります。 その理由としては、QDCの主なマーケットはプロミュージシャンがステージで使うような、自分の耳型で特注するカスタムIEMイヤホンであって、我々コンシューマーが普段使っているシリコンイヤピースのユニバーサル型イヤホン
2023年4月発売、価格は約15万円ということで、Fiioの中でもM17に次ぐ上級モデルです。前回紹介したHibyやAKの新作DAPと合わせて試聴してみたので、メーカーごとに実際どれくらい違いがあるのか気になります。 Fiio M15S近頃のFiioのイメージというと、多色LEDにマットブラックの角ばったデザインや高出力アンプといったマッシブさをテーマに掲げており、オーディオファイル的な嗜好品というよりは、ゲーミングパソコンのビデオカードのような最先端のハイスペック感を強調しています。 特にコロナ中は店頭試聴ができなかった事情もあり、ネットでスペック性能を頼りに購入する人や、初心者でもそこそこ良いヘッドホン機器を買いたい人が増えた事もあり、謎理論やオカルトではなくテックガジェット的な目線からも説得力があるような売り方というのが成功しているように思います。 直近のフラッグシップで30万円の「
前回に続いて最新DAPを色々と聴いてみたので、今回はAstell&KernからAK SE300の感想をまとめておきます。 2023年6月発売で価格は約30万円、AK初の自社製フルディスクリートR2R DACを搭載する意欲作です。 AK SE300Astell&Kern(AK)というと王道な高級DAPメーカーというイメージがありますが、その中でもSEシリーズだけは、A&futuraというサブネームからも想像できるとおり、かなり奇抜で未来感や冒険心あふれるモデルが集中しています。 AKのラインナップは単純に価格差による上下関係というわけではなく、シリーズごとに明確なテーマを設けており、それぞれ全く異なる開発手法をとっているのが面白いです。まるで自動車メーカーなどと同じような感覚でしょうか。 フラッグシップのA&ultima SPシリーズはその時点で技術的に可能な限りの最高峰を目指すモデルで、私
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