全国の国立大学や国立研究施設の教室や研究棟などのうち、耐震強度が国の安全基準を満たしていない施設の床面積が、東京ドーム約50個分に相当する計約235万平方メートルに及ぶことが19日、文部科学省の調査でわかった。 文科省の調査では、施設全体の6割弱が築25年以上の老朽施設で、改修工事が必要な施設は計約990万平方メートル(37%)だったことも判明。教員らからは「いつまでこんな状態が続くのか」と不満の声があがった。 「地震の時は不安を感じる」。東京都目黒区の東京工業大・大岡山キャンパス。「南5号館」の一室で男性教授はそう話し、天井を見上げた。広さ26平方メートルの研究室の壁には、天井から床に長い亀裂が走る。菅首相も学生時代を過ごした同館は、1963年の建設後、本格改修は行われず、同省が「強度不足」とする235万平方メートルの一部。「予算不足で、対応が後回しになってしまった」。伊沢達夫副学長は不