設備産業としての20世紀型(=マス)メディアの優位が終わったことは、本質的にマスとしては中途半端な出版にとって、積年のコンプレックスを払拭する機会を与えている。この機会を利用するためには、マスメディアの最後尾ではなく、Webメディアの最先端に鞍替えする必要がある。そんなに難しいことではない。もともと設備は持っていないのだから。(鎌田) You Are What You Read 前回の話のポイントは、21世紀のメディアのパラダイムが「設備から知識へ」と変化した、ということだった。この場合の知識とは、たんなる情報ではなくフランシス・ベーコン流の(因果性を帰納する方法を)「知ること」である(本誌拙稿「メディアの危機ー(3)デジタル情報空間の分離」参照)。「本と読者との関係」「誰が何をどう読むか」についての情報と言ってもいい。それには、なぜ関心を持ち、どうやって知り、どこで購入し、どう読んだのか