2010年2月17日 田中 宇 米国の国防総省が2月1日に発表した「4年ごとの国防政策見直し」(QDR)は、以前の米軍が掲げていた「同時に2つの大きな戦争に勝てる戦力を持つ」という「2正面」の目標を取り下げた。代わりに「テロやゲリラとの非対称戦争、インターネットでの戦争など、多元的な不安定さに対処する」という「多元的」な目標に衣替えしたのが、今回のQDRの特徴だと報じられている。 (Slow shifts in U.S. defense strategy) 「オバマはブッシュと違うんだ」と言われて1年あまり経ったが、今回のQDRは冒頭に「米国は戦争中の国である」と、相変わらず「有事体制」を強調している。「有事だから、米政府が歪曲報道をさせたり、盗聴や拷問、裁判なしの無期拘束をやっていいんだ」という言い訳に使えるようになっている。相変わらず米軍の中心課題は「アフガニスタンやパキスタンでのアル