アルツハイマー病による認知症状の改善にココナツオイルが注目されている。主成分の中鎖脂肪酸からできる物質、ケトン体に着目した食事療法を米国人医師が提唱。アンチエイジング研究で知られる白沢卓二・順天堂大大学院教授は「『ガス欠状態』となった神経細胞にケトン体が入ってエネルギーをつくる」と解説している。(寺田理恵) ◇ ◆カレー、スープに アルツハイマー病は記憶や思考能力がゆっくりと障害を受け、日常生活上の行為が難しくなる病気。幻覚や妄想、徘徊(はいかい)といった周辺症状がある。高齢者の認知症では最も多く、脳の神経が変性して脳の一部が萎縮していくが、原因は解明されていない。 アルツハイマー病の認知障害について、ココナツオイル摂取で改善する食事療法を提唱しているのが米国の小児科医、メアリー・T・ニューポート医師だ。若年性アルツハイマー病を発症した夫に食べさせたとこ