日立製作所ブースの片隅に、異様なほど人口密度の高い場所がある。同社が開発した「実空間に立体映像を重ねて表示する立体映像表示技術」の参考展示だ。 この技術は、昨年のCEATEC JAPANで展示された裸眼立体視技術“フルパララックス3Dディスプレイ”を応用したもの。24台ものプロジェクターを使って立体の映像情報を作り、複数枚のレンズでハーフミラーに投影。その鏡像が写る場所に何か物体を置くと、まるで物体の中に立体物があるようにみえるという。広告・デザイン業界からの「立体映像を使って人々の関心を引く魅力的なコンテンツを作成したい」という声に応えるために開発したという。 実際のデモを見ると、確かに関心を引きそうだ。ポイントは、まるで物体の表面が透け、その中に立体映像で描かれたものがあるように見えること。卵形のオブジェにヒヨコの立体映像を投影すると、卵の殻が透けて中にヒヨコがいるような印象だ。水平6