イエメン武装勢力に攻撃されたサウジアラビア・ジッダにある石油施設(2020年11月24日、写真:新華社/アフロ) 1バレル=60ドル台だった年初の原油価格は、新型コロナウイルスのパンデミックとサウジアラビアの掟破りの生産拡大により、マイナス40ドルにまで急落するという異常事態に陥った。しかし、その後OPECプラス(OPEC加盟国とロシアなどの大産油国)の史上最大規模の減産により、現在の水準にまで回復している。振り返れば、アップダウンの激しい1年だったが、まずは供給サイドの動きから見てみたい。 世界の在庫過剰が続く中、協調減産幅を縮小 現在、日量770万バレルの協調減産を実施しているOPECプラスは12月3日、「来年(2021年)1月から減産規模を同720万バレルに縮小する」ことで合意した。 当初の予定では「来年1月からの減産規模は日量580万バレルとなる」予定だったが、足元の原油需要が軟調