外国人留学生が、低賃金で漫才などの余興を長時間強いられる事例が全国で相次いでいる。不安定な労働条件などを理由に、若者が芸能界を避けるようになった結果、様々な技能を身につけるために来日したはずの留学生が肩代わりすることが増えているようだ。 「ソレ、タダノオッサンヤナイカ。エエワ、カワレ」「オイマテ、オマエモオナジオッサンヤナイカ」 大阪府枚方市内の家電量販店で行われた販売促進イベントで漫才を披露したのは、ベトナム人男性と中国人男性の留学生。この日初めて顔を合わせたばかりだ。2人は芸能事務所の担当者から開演3時間前に渡された台本を一生懸命に暗記して漫才に挑んだ。必ずしも流ちょうではないが、会場は時折笑いに包まれ、お客さんからの反応も上々であるようにみえた。 しかし、2人が日本にやってきた理由は漫才ではなく、日本語と機械工作技能の習得だ。 「生活費と授業料を払うためには漫才を続けるしかありません