北陸新幹線の沿線自治体が働き掛ける来年春の敦賀以西着工に「京都の壁」が立ちはだかっている。着工の前提となる環境影響評価(アセスメント)は京都で1年8カ月ほど遅れているとみられ、来春どころか2024年春の敦賀開業と同時に着工できるかも不透明な情勢だ。京都府は大阪延伸にそもそも前向きではないとされ、敦賀以西着工の大きな障害になる可能性をはらんでいる。 【関連記事】敦賀以西の建設費、上振れ不可避 北陸新幹線を巡る経過(1973年~) 「遅れているのは事実。今の段階ではとにかく丁寧に迅速に進めてほしいとしか言いようがない」 今月10日、国会内で開かれた与党の敦賀-新大阪間整備委員会の会合終了後、高木毅委員長(衆院福井2区)は報道陣に環境アセスの進捗(しんちょく)を問われると渋い表情を見せた。 敦賀-新大阪は延長143キロ(約8割がトンネル区間)で、建設主体の鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運