ここ数年書店の数は減少し、出版業界の苦境が続いている。ところが、公益社団法人全国出版協会によると、2019年の「紙」と「電子」を合算した出版市場(推定販売金額)は、前年比0.2%増の1兆5,432億円。2014年の電子出版の統計を取り始めて以来、その合計が初めて前年を上回った。紙の市場は前年比4.3%減少しているものの、電子出版が同23.9%増と大きく成長し、3,000億円に達したという。 結果、出版市場全体における電子出版の占有率は前年の16.1%からさらに上昇し、約2割を占める規模になった。電子出版が出版市場全体を底支えするほどの存在になったといえる。 しかし、電子化された書籍は、確かに利便性もあるが、紙の本に比べて不便なことにも気づく。原則、貸し借りは出来ないし、本に作者のサインをもらったりもできない。また、別のプラットフォームで読むこともできない。例えばキンドル(アマゾンの電子書籍
