1本千円近い牛乳が注目を浴びている。岩手県の山奥で24時間365日、自然放牧の「中洞(なかほら)牧場」で搾った牛乳だ。効率は悪くても、業界の常識とは一線を画して30年以上。IT企業と連携し、東京や名古屋に専門ショップを開いた。■「山地酪農」、きっかけは映画 6月中旬、東京・銀座の松屋銀座の食品フロア。飲むヨーグルトやプリン、ソフトクリームもそろえた中洞牧場の専門店で、牛乳を試飲した千葉県市川市の梅津誠さん(60)は「べたついた後味が残らず、のみやすい」。普段から有機栽培の野菜を買うなど健康に気をつかっている。「自然放牧なら安心。高くてもそれだけの価値はある」と牛乳を買った。 記者も1本(720ミリリットル、972円)を飲んでみた。牛乳瓶の上の方で乳脂肪分が固まり、これが生クリームのようにおいしい。牛乳はコクの中にも、さらっとした飲み口だ。昨年、全国規模のご当地牛乳品評会で「最高金賞」に選ば
震災の日、岩手県大船渡市の民家から姿を消したネコが9日、飼い主のもとに帰ってきた。見つかったのは約15キロ離れた陸前高田市。首輪に記された携帯電話の番号から、3年2カ月ぶりの再会が実現した。 陸前高田市気仙町の杉林にじっと座る黒いネコを地元の夫婦が保護し、大船渡保健所に届けたのは4月10日。首輪があり、人懐っこい。飼い主が現れるかも。保健所はしばらく様子を見ていたが、進展がないため、8日朝、地元紙に掲載してもらうため写真撮影をしようとした。 そのとき、首輪にうっすらと文字が浮かんでいるのに職員が気がついた。「ヤマギシ」という文字と携帯番号。なんとか判読し電話をかけると、山岸剛郎(たけお)さん(67)につながった。飼い主その人だった。
東日本大震災の発生から3年。 今も多くの人たちが仮設住宅での生活を余儀なくされています。 避難生活が長引くと特に心配になるのが、1人暮らしのお年寄りの体調です。 体調を崩しがちになり、最悪の場合は、誰にも気付かれずに亡くなる“孤独死”に至るケースもあります。 こうしたなか、岩手県釜石市の仮設住宅では、今あるIT=情報通信技術の情報を上手に組み合わせ、健康状態のちょっとした異変に気付いて予防につなげようという“見守り”のネットワークシステムが運用されています。 どのようなシステムなのか、ネット報道部の天間暁子記者が取材しました。 健康管理は大きな課題 被災地では、今も、およそ25万人の人たちが仮設住宅などで生活を続けています。 避難生活を続ける人たちの健康管理は、▽自治体から委託された担当者が、1日1回、各部屋を回って健康状態を確認したり、▽仮設住宅内に相談の窓口を設けて、健康相
県と一関市は23日、出荷前の放射性物質検査が義務づけられた同市旧磐清水村地区の大豆約220キロ・グラムが、未検査のまま昨年12月に出荷されていたと発表した。市は12月27日に、県は1月6日に事態を把握しながら公表していなかった。大豆は回収済みの5キロ・グラムを除き消費者に渡っている可能性が高いが、同地区の他の大豆は国の基準値(1キロ・グラム当たり100ベクレル)を下回っており、市は「安全性は問題ないと推測される」としている。 同地区で栽培された大豆は、2012年産の1袋から国の基準値を超える放射性物質が検出されたため、昨年1月に国の出荷制限を受け、出荷前の全袋検査が義務づけられた。 発表などによると、昨年12月上旬、同地区に畑を持つ農家1戸が検査前に出荷の可否を市千厩支所に問い合わせたところ、対応した職員が農家の住所と畑のある場所を混同し、「出荷可能」と回答。この農家は8袋197キロ・グラ
東日本大震災後、岩手、宮城、福島3県の沿岸と東京電力福島第一原発事故で避難指示区域となった地域の計42市町村で、職員がうつ病など心の問題で休職するケースが相次いでおり、今年度も8月までの5か月で147人が1か月以上の長期休職をしていることが読売新聞の調査で分かった。 復興事業の本格化で自治体業務は拡大し、職員の負担は増しており、震災から2年半が過ぎても厳しい状況は続いている。 調査は、岩手県の12市町村、宮城県の15市町、福島県の15市町村が対象。11年4月から今年8月末まで、年度ごとに心の問題で長期休職した職員数を尋ねた。2011年度の長期休職者は286人、12年度は254人で震災前の10年度の177人を大きく上回った。 震災後2年半での県別の休職者数(延べ人数)は、宮城県が461人、福島県が180人、岩手県が46人。市町村別(同)では、仙台市が207人で最も多く、次いで福島県いわき市が
創刊1年で「被災犬」を特集した「大槌新聞」創刊1年で「被災犬」を特集した「大槌新聞」犬を特集した記念号を広げる高田由貴子さん=岩手県大槌町の「復興館」 【東野真和】住宅再建や町づくりなど、復興に向けた情報を被災者に提供する岩手県大槌町の「大槌新聞」が創刊1周年を迎え、先月発売の記念号で52匹の「大槌わんこ」を特集した。編集長の高田由貴子さん(38)は「ペットも被災しながら飼い主を癒やす。感謝を込めた」と言う。 特集:どうぶつ新聞 大槌新聞は、高田さんが1人で取材・編集している。印刷・配達費は広告収入でまかない、毎週無料で町内約5千世帯に全戸配布している。取材の道すがら、出合った犬の写真を撮り、飼い主に話を聞く「大槌わんこ」は名物コーナー。毎号取り上げるのは1匹だが、今回は総集編だ。 秋田犬の太刀くん(13)の飼い主、小畑幸子さん(79)は、震災で長男を失い、その捜索で体を酷使した夫も
(オルタナティブ・ニッポン)遺族の意見まっぷたつ遺族代表の上野ヒデさん(写真左)は保存、倉堀康さん(右)は解体と、意見が分かれた=2012年11月10日、大槌町役場 ■大槌駐在・東野真和 「話そう、震災遺構」特設マップ 私が岩手県大槌町に駐在し始めた2年前、「震災遺構」はほとんどなかった。津波とその後の火災で、大半の建造物は形を失っていたからだ。 そんな中で、かろうじて姿をとどめていたのが旧町役場庁舎だ。大震災直後、対策会議中だった前町長や職員ら約40人が犠牲になり、津波でぶち抜かれた壁も生々しい建物は、自然と、訪れる人が花を手向け、祈りを捧げる場所になっていった。 震災後に就任した碇川豊町長は、昨秋、職員の遺族、高校生、学識経験者らをメンバーに、旧役場庁舎の扱いを話し合う検討委員会を設置し、3回の会合を開いた。 委員のうち、職員の遺族2人の意見は、平行線をたどった。娘を失った母は、「娘の
朝ドラ「あまちゃん」舞台の小袖海岸は、4月だけで例年の年間観光客数5千人を超えたんだって。久慈市にいってみようかなってひとには、おとなりの葛巻町の見学もおすすめですだよ。 ■クリーンエネルギーの町、葛巻 こんにちは。もんじゅ君ですだよ。 今週は、岩手県の葛巻(くずまき)町のおはなし。 葛巻町ってどこにあるのかというと、いまNHKでやっている「あまちゃん」の舞台である久慈市のおとなりの、内陸の町なのね。 ここは標高千メートル級の山にかこまれた高原にあって、酪農と林業がさかんなところなんだけれども、じつは自然エネルギーのとりくみでも有名なの。キャッチフレーズは、「北緯40度ミルクとワインとクリーンエネルギーの町」。 ■ふたつの自給率のたかさ 葛巻町では、食料自給率が200%、エネルギー自給率は80%と、どちらもとてもたかいの。日本ぜんたいの自給率をみると、たべものは39%、エネルギー
【東野真和】東京大学は、東日本大震災で大きな被害が出た岩手県大槌町で、町や企業と連携して雇用を生み出すプロジェクトを始める。町役場内に15日、活動拠点「大槌本部」を立ち上げ、常駐職員を置く。10年後に1千人の雇用創出を目指す。 プロジェクトには、水産業や林業などの専門知識を持つ東大教授、70を超す企業などが参加。情報・通信技術をいかした森林や水産物の管理、交流人口を増やす方法の開発、お年寄りの移動手段など、「実験の町」として30種類以上の研究をする。 大槌町内に東大大気海洋研究所の施設がある縁から、震災後も各分野で支援してきた。 続きを読むこの記事の続きをお読みいただくには、会員登録が必要です。登録申し込みログインする(会員の方) 無料会員登録はこちら朝日新聞デジタルのサービスご紹介はこちら関連リンク特集:東日本大震災
山田町が緊急雇用創出事業を委託していたNPO法人「大雪(だいせつ)りばぁねっと。」(岡田栄悟代表理事)の予算使い切り問題で、町が昨年8月時点で、法人の3億5千万円以上の未払い金を知っていた可能性があることが8日、分かった。事実であれば、町が法人の経営実態を把握していながら、補助金を全額前金払いしたことになる。 岩手日報社が情報公開請求した町の第三者調査委員会の報告書によると、町は昨年8月、岡田氏とリース会社オール・ブリッジの橋川大輔社長のヒアリング調査を実施。調査委の調べた資料には、町はこの時点で「同リース会社設立経緯と未払い金を知った」と記されている。 町はその後、指導や職員を派遣したが、十分な改善がないまま、同9、10月に法人に前金を払い、2012年度の総事業費約7億9100万円を全額前払い完了。調査委は「立ち止まるタイミングだった」と指摘している。 また、町は8日、同体育館を公開した
【動画】田老の津波遺構を後世に=瀬戸口翼撮影3階まで津波が突き抜けた、たろう観光ホテル=岩手県宮古市田老岩手県宮古市田老地区の防潮堤=2011年10月9日、朝日新聞社ヘリから2012年3月10日、完成した田老の平成の津波供養塔にお参りする人たち。左隣に明治、昭和津波の供養塔が並んでいる防潮堤の上から田老の町の跡をみる修学旅行生。町の跡を区切る道路はみな、まっすぐだ常運寺には明治三陸津波の慰霊碑(左)と昭和三陸津波の慰霊碑が並ぶ=岩手県宮古市田老、瀬戸口翼撮影防潮堤には津波で折れ曲がった照明灯の支柱が残されている=岩手県宮古市田老、瀬戸口翼撮影建物の2階まで骨組みだけになった、たろう観光ホテルが津波の威力を物語る=岩手県宮古市田老、瀬戸口翼撮影 【伊藤智章】東日本大震災から2年の節目となったこの3月、集中的な震災報道が行われた。「ふだんからどんどん記事を書いて伝えたい」と願う現地の記者には
【東野真和】自分の学んだ場所を記録して後世に残しておこうと、被災して近く解体される旧大槌中学校校舎に22日、3年生11人が入り、記録して回った。資料として保存し、新校舎ができたら、展示したいという。
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